◎石油資源の豊富な南スーダンは2011年にスーダンから独立した。
南スーダンの暫定政府は4日、2011年の独立以来初となる選挙を2024年12月まで再延期すると発表した。
西側諸国は公正な選挙を速やかに行うよう繰り返し求めてきたが、再延期は避けられそうにない。
米国、イギリス、ノルウェー政府はこの発表の直前、キール(Salva Kiir)大統領宛ての書簡で懸念を表明し、「和平交渉に関与した関係者が協議に参加できていないと考えられるため、外交官の派遣を見送る」と警告した。
この3カ国は南スーダンのトロイカと呼ばれている。
AP通信によると、3カ国はキール氏に延期を決めた理由や、選挙に必要な制度の整備、機構の設置などを求めたという。
キール氏は4日の声明で延期の理由について、「さらなる流血を防ぐため」と説明した。「政権にとどまりたいから延期を決めたのではありません。流血を避けたいのです。選挙を急げば戦争に逆戻りするでしょう...」
キール氏は国内の武装勢力に選挙に向けた協議を含む和平プロセルに参加する呼びかけた。
キール氏と武装勢力を含む野党グループは2018年、和平協定を結び、内戦を終結させた。しかし、協定の条項はほとんど実施されず、放置されている。
キール氏と政敵のマシャール(Riek Machar)副大統領は今年4月、軍司令部を一本化する協定を結び、3月末に発生した戦闘をひとまず収めた。
地元メディアなどによると、両指導者は軍や警察を含む治安機関の統一に合意し、権力配分はキール氏が6割、マシャール氏が4割になったという。それ以上の詳細は明らかにされていない。
石油資源の豊富な南スーダンは2011年にスーダンから独立した。しかし2年後、キール氏に忠実な組織がマシャール氏の組織に攻撃を仕掛け、内戦状態に陥った。内戦の犠牲者は数十万人と推定されている。
マシャール氏も4日、選挙の延期に賛成し、「協定の履行を確実にするためには延期するしかない」と述べた。「我々は協議を必要としています。協定を履行することが大切なのです。政府は野党グループの協議参加を歓迎します...」