◎南スーダンは2011年にスーダンから独立して以来、内戦、自然災害、経済不安、政治抗争に悩まされてきた。
国連は3日、南スーダンで人口の3分の2に相当する800万人近くが飢餓の危機に直面していると警告した。
国連食糧農業機関(FAO)、国連児童基金(ユニセフ)、世界食糧計画(WFP)は共同報告書の中で、「洪水、干ばつ、紛争の影響を受けた地域で飢餓と栄養失調が増加している」と指摘している。
また国連は食料不安と栄養失調に直面している人々の割合が内戦時のレベルを超えていると指摘した。
報告書によると、2023年4~7月のリーンシーズン(最も食料が足りなくなる季節)には776万人が飢餓のリスクにさらされ、児童140万人が栄養失調に苦しむという。
国連は紛争、世界経済の悪化、異常気象、食料・燃料費の高騰などが重なり、人道支援プログラムの資金が減少していることにも触れている。
WFP南スーダンは声明で、「この国は気候変動の最前線におり、多くの家族が異常気象で家、家畜、畑、そして希望を失っている」と述べている。
南スーダンは2017年、激戦が繰り広げられた2つの地域で飢饉を宣言した。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は先月、南スーダンの一部地域で発生した水害により、推定90万9000人が影響を受けたと報告した。その多くが住まいと家畜を失い、難民キャンプや道端で生活している。
南スーダンは2011年にスーダンから独立して以来、内戦、自然災害、経済不安、政治抗争に悩まされてきた。
2018年に終結した内戦の犠牲者は40万人と推定されている。