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南スーダン大統領が国会議長と副議長を解任、理由不明


南スーダンは2011年の独立後、内戦や政治対立を繰り返し、2018年の和平合意以降も政権内の権力争いが続いている。
2020年2月11日/南スーダンのキール大統領(John Muchucha/AP通信)

南スーダンのキール(Salva Kiir)大統領が7日、国会議長と副議長を解任した。この大統領令は首都ジュバの議会で読み上げられ、突然の人事刷新として国内外に波紋を広げている。

解任されたのはジェマ・ヌヌ・クンバ(Jemma Nunu Kumba)国民議会議長とペルメナ・アウェリアル・アルオン(Parmena Awerial Aluong)副議長。いずれも立法議会の要職にあり、2021年以降、移行政府の枠組みの中で議会運営を担ってきた。

解任の理由について、政府は公式に説明していないが、与党スーダン人民解放運動(SPLM)内部では議長をめぐる資金管理問題や汚職疑惑が取り沙汰されていた。党内議員団の一部が議長解任を求める請願を提出していたとされ、今回の決定はこうした圧力を背景にしたものとの見方が出ている。

キール氏は同時に後任人事も発表し、新議長と副議長を任命した。政権内の要職を一新することで、政治運営の立て直しを図る狙いがあるとみられる。

南スーダンでは近年、政権幹部の頻繁な更迭が続いている。キール氏は2026年に入ってからも閣僚や高官の解任を繰り返しており、2月には就任から間もない財務相を解任するなど、政権内の人事が流動化している。こうした一連の措置について、明確な理由が示されないケースも多い。

専門家の間では、こうした人事が権力基盤の維持を目的としたものであるとの指摘がある。南スーダンは2011年の独立後、内戦や政治対立を繰り返し、2018年の和平合意以降も政権内の権力争いが続いている。キール氏は軍や政党内のバランスを保つため、重要ポストの入れ替えを通じて影響力を維持してきたとされる。

また、国家反逆罪で起訴されているマシャール(Riek Machar)副大統領との対立をはじめ、政治的緊張も依然として高い。過去の内戦では数十万人が死亡、飢饉を含む壊滅的な人道危機が発生し、現在の政治的不安定が再び衝突につながることへの懸念も根強い。

今回の議会指導部の解任はこうした不安定な政治状況の中で行われたものであり、今後の権力構造や和平プロセスに影響を与える可能性がある。国内では汚職対策や統治能力の強化につながるとの期待もある一方、権力集中の進行や政治的包摂の後退を懸念する声も出ている。

南スーダンでは将来的な選挙実施も課題となっており、政治体制の安定化が求められている。今回の人事が政権の求心力を高める契機となるのか、それとも新たな対立を招くのか、情勢の行方が注視される。

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