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南アフリカ銃乱射事件、32歳男逮捕、子供含む12人死亡

この事件では12人が死亡し、その中には3歳、12歳、16歳の子供も含まれていた。さらに13人が負傷し、病院で治療や手当てを受けた。
2025年12月6日/南アフリカ、プレトリア近郊、銃乱射事件が発生したバー近く(AP通信)

南アフリカ・プレトリア近郊の無許可バーで12月6日に発生した銃乱射事件について、警察は22日、容疑者とされる32歳の男を逮捕したと明らかにした。

この事件では12人が死亡し、その中には3歳、12歳、16歳の子供も含まれていた。さらに13人が負傷し、病院で治療や手当てを受けた。逮捕された男はリンポポ州へ向かう途中で拘束され、車内からは事件に使用されたとみられる拳銃が押収された。

銃は鑑識に回され、弾道検査が行われる見通し、 動機は明らかになっていない。警察は他にも関与が疑われる2人の容疑者の追跡を継続している。

この事件はプレトリア西部の地区で早朝に発生。現場のバーは違法営業とされ、警察が通報を受けた時点で10人が即死し、2人が病院で死亡したと伝えられている。複数人が無差別に発砲したとされる。

南アは世界でも殺人発生率が非常に高い国の一つであり、警察統計によると、違法銃を使用した暴力事件が多数を占めている。2024年には2万6000件を超える殺人事件が発生した。このため政府は違法銃の取り締まりや違法飲酒施設に対する監視を強化してきたが、今回のような大量殺人事件は後を絶たない。

12月21日にはヨハネスブルグ南西部の飲食店でも銃撃が発生し、少なくとも9人が死亡、10人以上が負傷する事件が起きている。この事件では複数の銃撃犯が深夜に白のミニバスと銀色のセダンで現場に到着し、店内外の客に向かって無差別に発砲したとされる。警察はこの事件についても容疑者を捜索している。

地域社会や治安専門家の間では、違法なバーが銃撃事件の温床となっているとの指摘がある。南ア警察は2025年を通じて違法営業の飲酒施設数千軒を摘発し、多数の取り締まりを実施しているが、違法銃の流通や犯罪組織の活動が根強いことが問題となっている。こうした背景には高い失業率、貧困、不安定な社会環境があり、これらが暴力や犯罪を助長しているとの分析もある。

今回の事件は南ア国内での銃犯罪対策の重要性を改めて浮き彫りにしている。捜査当局は逮捕した容疑者を送検し、無許可武器所持や殺人などの罪で起訴する方針であり、他の関与者の検挙へ向けた捜査を強化するとしている。

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