◎国民は計画停電の常態化とエスコム社で汚職が蔓延していることに怒りを募らせている。
南アフリカの国営電力会社エスコム(Eskom)は23日、長期的な電力不足に備えるよう警告した。
エスコム社はこの数カ月、石炭火力発電所の経年劣化や燃料価格の高騰などにより、前例のない計画停電を行ってきた。
経営陣は設備の改修を急ぐとしているが、野党と活動家は社内に蔓延する汚職と腐敗が発電所の改修を遅らせ、職員のやる気を削いできたと非難している。
エスコム社の報道官は記者会見で、「来年の3月までは厳しい戦いが続くだろう」と述べ、計画停電の延長は避けられないという見方を示した。「大変な3カ月になると予想しています...」
南アは国内で消費する電力の80%を石炭でまかなっている。ケープタウン近郊にある築40年の原子力発電所は来年廃止手続きを開始する予定だ。
エスコム社はウェブサイトに掲載した声明で、「来年の見通しは非常に厳しい」と述べている。
同社によると、電力需要を満たすためには発電能力を4000~6000MW積み増す必要があるという。ウクライナ南部にある欧州最大のザポリージャ原発6基の発電容量がおよそ6000MWである。
まもなく退任するロイテル(Andre de Ruyter)CEOはエスコム社が窮地に立たされている原因について、「政府の支援の欠如と汚職」を挙げている。
政府は17日、4つの発電所に陸軍の兵士を配備すると発表した。この措置は石炭・ガス火力発電所に対する妨害、盗難、破壊、暴力の脅威に対処するものだという。
国民は計画停電の常態化とエスコム社で汚職が蔓延していることに怒りを募らせている。