◎当局は事件・事故の両面で捜査を進めている。
南アフリカの警察当局は27日、東ケープ州イーストロンドンのナイトクラブで発生した事件について、「若者たちは踊りながら死んだ」と発表した。
現地メディアによると、事件は26日未明に発生し、ナイトクラブ内にいた未成年21人が死亡した。負傷者数は明らかにされておらず、警察は死者数を22人から21人に変更している。
当局は事件・事故の両面で捜査を進めている。
東ケープ州警察の責任者は27日、記者団に対し、「彼らは踊りながら死んだ」と語った。「若者たちは踊り、倒れ、死んだのです。彼らは子供でした。大人が注意すべきでした...」
地元メディアは警察筋の話を引用し、「当局はガス漏れ、薬物、粗悪な密造酒による重度の急性アルコール中毒、毒物の可能性を視野に入れ捜査している」と報じている。
警察の広報担当によると、現場で対応に当たった警察官は26日未明、ナイトクラブ内で17人の死亡を確認し、4人を病院に搬送。4人のうち2人は地元の診療所で、1人は搬送中、もう1人は市内の病院で死亡した。21人の年齢は13歳~17歳だった。
警察の広報担当は記者団に「死因はまだ確定していない」と説明する一方、「ケープタウンの研究所でサンプル解析を進めており、初期調査の結果は毒物の可能性を示唆している」と語った。
地元紙デイリー・マーベリック(Daily Maverick)は州政府高官の話を引用し、「犠牲者はアルコール、あるいはパーティーで使用された薬物から有毒物質を摂取した可能性がある」と報じている。
地元メディアは当初、「犠牲者(男子12名、女子9名)は狭い室内で倒れ、圧死したのではないか」と報じていたが、警察によると、21人に目立った外傷はなく、群衆事故の可能性はないとしている。
デイリー・マーベリック紙によると、若者たちは中間試験が終わったことと、週明けに予定されているコロナ規制の緩和を祝っていたという。
一方、東ケープ州保健局は背中の痛み、胸のつかえ、嘔吐、頭痛により病院で治療を受けている負傷者がいると報告している。詳細は明らかにされていない。
G7首脳会議でドイツを訪問中のラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は27日の声明で犠牲者と遺族にあらためて哀悼の意を表した。
南アフリカでは18歳未満のアルコール摂取・購入は違法。東ケープ州政府はナイトクラブの酒類販売業免許を取り消し、クラブの所有者を刑事訴追すると発表しているが、詳細は明らかにされていない。
この悲劇は同国の貧困外で営業しているナイトクラブやバーに新たな監視の目を向けることになるだろう。