◎事件は先月26日未明に発生し、14歳~20歳の男女21人が死亡した。
南アフリカ当局は19日、東ケープ州イーストロンドンのナイトクラブで若者21人が不可解な死を遂げた事件について、犠牲者の体内から有毒化学物質のメタノールが検出されたと発表した。
事件は先月26日未明に発生し、14歳~20歳の男女21人が死亡した。
事故調査委員会で検査を担当する東ケープ州のマティワネ(Litha Matiwane)医師は記者団に対し、「21人全員の血液サンプルからメタノールが検出されたが、彼らがいつどこでどのようにそれを体内に取り込んだかは分からず、調査と分析を継続している」と説明した。
同州政府によると、調査委員会はケープタウンの研究所で行われている精密検査の結果を待っているという。
メタノールはアルコールの一種で、溶剤、殺虫剤、燃料などとして使用されている。市販のアルコール飲料には使用されない。
地元紙デイリー・マーベリック(Daily Maverick)は今月初めの記事で州政府高官の話を引用し、「犠牲者はアルコール、あるいはパーティーで使用された薬物から有毒物質を摂取した可能性がある」と報じていた。
マティワネ氏は、「急性アルコール中毒と一酸化炭素中毒は死因から除外していたが、今回の検査で21人全員の体内からその痕跡が検出された」と語った。
この事故は南アフリカ全土に衝撃を与え、政府は酒類を販売する小売店や飲食店に対する全国一斉調査を開始した。
南アフリカでは18歳未満のアルコール摂取・購入は違法。東ケープ州政府は事故を起こしたナイトクラブの酒類販売業免許を取り消し、クラブの所有者らを「未成年者にアルコールを提供した容疑」で刑事訴追している。
警察は検査の結果次第で容疑を過失致死などに切り替える可能性があるとしている。
ナイトクラブの所有者と従業員数名は現在保釈されている。
ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は今月初めに執り行われた合同葬儀で、18歳未満へのアルコール提供を禁じる取り組みを強化すると宣言した。