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南アフリカ、汚職の疑いで警察幹部12人を逮捕


事件は警察向けの医療関連サービス契約を巡るもので、入札手続きの過程で不正が行われた疑いが持たれている。
2021年7月15日木曜日、南アフリカ、ヨハネスブルグの郊外にあるショッピングモール、警察官と略奪に関与した市民(Getty Images/AFP通信)

南アフリカで警察による汚職疑惑が拡大し、捜査当局は25日、汚職や詐欺などの容疑で警察幹部ら12人を逮捕したと明らかにした。事件は警察向けの医療関連サービス契約を巡るもので、入札手続きの過程で不正が行われた疑いが持たれている。公的契約は本来、公正性と透明性が厳格に求められるが、今回のケースでは審査基準が歪められ、特定企業に有利となるよう操作された可能性がある。

問題となっている契約は、警察官やその家族に対する健康支援サービスの提供に関するもので、規模も大きく国家財政に影響を及ぼす性質を持つ。捜査当局によると、契約を受注した企業は適格性に疑問があるにもかかわらず選定されており、その背後には犯罪組織と関係を持つ人物の関与が疑われている。この実業家はすでに別件で逮捕され、警察内部との癒着が強く疑われている。

逮捕された警察幹部らは入札評価や意思決定の過程に関与していたとされ、証拠の一部からは評価点の操作や手続きの恣意的変更が示唆されている。これにより、本来選ばれるべき企業が排除され、不正に利益が誘導された可能性がある。被疑者たちは裁判所に出廷し、保釈を求めている。捜査は現在も継続中で、全容解明には時間を要するとみられる。

今回の摘発は警察内部に広がる腐敗体質を是正するための大規模捜査の一環である。ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領の指示のもと、独立機関や議会による調査も並行して進められており、警察幹部と犯罪組織の癒着が体系的に存在していた可能性が浮上している。これまでの証言では、金銭授受のみならず便宜供与や私的関係の存在も指摘され、組織の信頼性を根底から揺るがす事態となっている。

南アフリカは深刻な犯罪問題を抱える国として知られ、その治安維持を担う警察組織の腐敗は長年の懸案であった。過去にも高官の不正や不透明な契約が問題視されてきたが、今回のように複数の幹部が一斉に摘発されるのは異例である。今後、さらなる関係者の摘発や制度改革が進むかが焦点となる。

政府は司法の独立性確保と監視体制の強化を通じて信頼回復を図る必要に迫られている。今回の事件は単なる個別の不正にとどまらず、制度的な欠陥や監督機能の弱さを浮き彫りにした。捜査の進展と司法判断は、同国のガバナンス改革の試金石となる見通しである。

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