▽当局は国内のラジオ局に宛てた書簡の中で、「Tell Your Papa」という曲を流さないよう命じた。
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アフリカ西部・ナイジェリアの規制当局がティヌブ(Bola Tinubu)大統領の政策に批判的な曲をラジオで流すことを禁じた。現地メディアが11日に報じた。
それによると、当局は国内のラジオ局に宛てた書簡の中で、「Tell Your Papa」という曲を流さないよう命じたという。当局はこの内容を「不適切」と指摘している。
この曲はティヌブ氏の息子が最近、父親を「ナイジェリア史上最も偉大な指導者」と呼んだことに反論する内容となっている。
歌手は曲の中で息子に対し、ティヌブ氏の政策が国に広範な苦難をもたらしてきたことを父に伝えるよう求めるとともに、ティヌブ氏が「空約束」をし、選挙中の公約をひとつも実現していないと批判している。
ティヌブ氏は23年5月の就任初日にガソリン補助金を廃止。複数の為替レートを統一するなど、財政健全化を進めている。
その後も電気料金の補助を廃止するなどした結果、ガソリン価格は2倍以上に、公共交通機関の運賃や日用品の価格も急騰した。
昨年には政府に抗議する若者主導の抗議デモで少なくとも20人が射殺され、数百人が逮捕された。
規制当局はこの曲が「公序良俗に反する」コンテンツを禁止する放送規約に違反していると述べた。それでも、この曲はソーシャルメディアで大流行している。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは声明でティヌブ政権を非難。「この異様な禁止令は表現の自由の侵害であり、権力乱用である」と断じた。