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ナイジェリア軍が市場を誤爆、100人超死亡、対ボコ・ハラム戦


AP通信は軍関係者の話しとして、「過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員が市場周辺に集結し、近隣地域への攻撃を計画しているとの情報があった」と伝えている。
ナイジェリア、最大都市ラゴスの市場(Getty Images)

ナイジェリア北東部で軍が誤って市場を直撃し、100人以上の民間人が死亡した。現地メディアが12日に報じた。長年にわたり続くイスラム過激派との戦闘の中で、軍の作戦のあり方が改めて問われている。

AP通信や人権団体によると、空爆は4月12日、ヨベ州とボルノ州の州境付近にある集落で行われた。空軍はイスラム過激派の拠点を標的とする攻撃を実施したが、実際には多くの住民が集まる週一回の市場を直撃し、100人以上が死亡、大勢が負傷したという。

被害状況については、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが生存者の証言などから確認したとしており、犠牲者の多くは一般市民だった。現場となった市場は遠隔地に位置しながらも周辺住民の生活を支える重要な場所で、攻撃当時も多くの人々が買い物などで訪れていた。

AP通信は軍関係者の話しとして、「過激派組織ボコ・ハラムの戦闘員が市場周辺に集結し、近隣地域への攻撃を計画しているとの情報があった」と伝えている。そのため空軍は「信頼できる情報」に基づき空爆を実施したとされるが、結果的に民間人を巻き込む誤爆となった可能性が高い。州政府も声明で、軍の作戦によって市場にいた人々が被害を受けたことを認めている。

一方、軍は過激派の拠点や補給拠点を攻撃したと主張し、多数の戦闘員を殺害したとしているが、民間人被害についての説明は行っていない。現地では救助活動が続けられており、死者数はさらに増える可能性がある。

ナイジェリアでは北部を中心にボコ・ハラムやその分派組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」などによる反政府活動が10年以上続いている。軍は空爆を含む大規模な掃討作戦を繰り返してきたが、その過程で民間人の犠牲が相次いでいる。2017年以降、同様の誤爆で500人以上の民間人が死亡し、情報収集や作戦調整の不備が問題視されている。

今回の事件はこうした構造的な問題を改めて浮き彫りにした。過激派が民間地域に紛れ込む状況の中で、軍が迅速な対応を迫られる一方、精度の低い情報に基づく攻撃が重大な人道被害を招いている。

中央政府は詳細な調査や責任の所在について明確にしていないが、人権団体や国際社会からは透明性のある検証と再発防止策を求める声が強まっている。過激派との戦いが続く中で、民間人の安全をいかに確保するかが、ナイジェリアにとって大きな課題となっている。

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