◎アブドゥラヒ氏は2005年に国会議長を務め、選挙戦では世界的な認知度の低さによって発展が阻害されている同国の民主化と経済改革を訴えた。
アフリカ東部・ソマリアの係争地ソマリランドの選挙管理委員会が13日に行われた大統領選の結果を公表、野党候補のアブドゥラヒ(Abdirahman Mohamed Abdullahi)氏の当選を宣言した。現地メディアが19日に報じた。
それによると、アブドゥラヒ氏の得票率は50%を超え、再選を目指した現職のアブディ(Muse Bihi Abdi)大統領を上回ったという。
アブドゥラヒ氏は2005年に国会議長を務め、選挙戦では世界的な認知度の低さによって発展が阻害されている同国の民主化と経済改革を訴えた。
ソマリランド(旧イギリス領)は1991年にソマリア(旧イタリア領)から独立。国連は同国の独立を承認していないが、台湾は2020年に外交関係を結び、米国を含む10カ国がハルゲイサに駐在員事務所、ケニアとエチオピアは外交使節団の公館を設置している。
ソマリアはソマリランドを自国の領土の一部とみなしている。
選挙は資金不足のため、2022年から2度延期された。
地元ラジオ局によると、アブディ氏は敗北を認めたという。
ハルゲイサの在米国事務所はSNSに声明を投稿。「平和的かつ民主的な投票と選挙プロセスにより、ソマリランドは東アフリカで最も安定した民主主義国家の1つであるという評判を確固たるものにした」と称賛した。
ソマリランドは独立以来、安定した政治的環境を築き上げてきた。イスラム過激派の暴力に悩まされるソマリアとは対照的である。