◎ソマリランド政府とプントランドの反政府勢力は長年にわたって係争地ラスアノドを争ってきた。
ソマリランドの医療当局者は4日、係争地ラスアノド(Las-Anod)をめぐる暴力で、これまでに少なくとも145人が死亡したと明らかにした。
ラスアノドをめぐる政府とプントランドを支持する反政府勢力の戦闘は3カ月ほど前に本格化した。
ソマリランドは1991年にソマリアから独立。国連加盟国は同国の独立を承認していないが、台湾は2020年に外交関係を結び、米国を含む10カ国が首都ハルゲイサに駐在員事務所、ケニアとエチオピアは外交使節団の公館を設置している。
プントランドは1998年、当時のソマリア暫定政府の承認に基づき、自治を宣言した。
ラスアノド市内にある公立病院の院長はAP通信の取材に対し、「昨年12月下旬以降、戦闘に巻き込まれた市民1000人以上が負傷し、10万人以上が避難を余儀なくなれた」と語った。
また院長は、「ソマリランド軍が迫撃砲で病院を攻撃した」と非難した。「町の外に配備されたソマリランド軍は無差別砲撃で一般市民や医療施設に危害を加えています...」
ソマリランド政府は医療機関への砲撃を否定。軍は先月10日に発令した停戦協定を守っていると主張している。
国連は先月、民間人への無差別砲撃は容認できず、停止しなければならないと警告した。
ソマリランド政府とプントランドの反政府勢力は長年にわたってラスアノドを争ってきた。この町は現在、ソマリランド政府の管理下にある。
国連ソマリア事務所と国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は一連の戦闘により、昨年12月28日から2月28日の間に少なくとも80人が死亡、医療関係者を含む450人以上の非戦闘員が負傷したと報告している。
この戦闘はソマリランド野党の若手政治家がラスアノドのモスクを出たところで何者かに射殺されたことから始まった。野党はこの事件に政府が関与していると非難したが、政府はこの主張を否定している。
政府はソマリアに拠点を置くイスラム過激派組織アルシャバーブが事件に関与していると主張した。