◎野党は11月13日に予定されている大統領選の日程が確定するまでデモを続けると警告している。
2022年8月11日/ソマリランド、首都ハルゲイサで行われた抗議デモ(Guillem Sartorio/AFP通信/Getty Images)

ソマリランド政府は12日、首都ハルゲイサなどで行われた反政府デモにより、市民少なくとも5人が死亡、警察官を含む100人近くが負傷したと発表した。

アブディ(Muse Bihi Abdi)大統領は11日遅くに声明を発表。「ハルゲイサを含む複数の地域で無許可の抗議デモが行われ、5人が殺害された」と報告した。

またアブディ氏はデモの主催者である野党を批判し、「負傷者の大半が警察官だった」と明らかにした。

政府報道官によると、警察は6つの地域で抗議デモを行うという届け出を受け、受理したという。しかし、野党はそれ以外の地域でデモを強行したと伝えられている。

米国とEUは共同声明で過剰な武力行使に懸念を表明し、政府に大統領選のロードマップを示し、野党と対話を行うよう要請した。

野党は11月13日に予定されている大統領選の日程が確定するまでデモを続けると警告している。

アブディ氏は大統領選のロードマップをまだ示しておらず、この問題に関する野党との協議は先週、決裂した。

野党はアブディ氏が権力を維持するために選挙を遅らせようとしていると非難し、野党支持者数百人が抗議デモに参加した。

デモに参加した野党党首は「自由で公正な選挙を行わない限り、ソマリランドに平和は訪れない」と支持者に訴えた。

AFP通信は政府筋の話を引用し、「野党党首の警備員1人を含む数人が死亡し、死者の数はさらに増えるかもしれない」と報じている。警察は暴徒に発砲したと伝えられているが、事実か否かは不明。

首都ハルゲイサのデモを主催した団体はAFP通信の取材に対し、「女性を含む3人が射殺され、34人が入院した」と語った。

デモに参加した男性はAP通信に、「私たちはアブディ大統領が次の選挙を予定通り行うと発表するまで、攻撃をやめない」と語った。「警察は大統領ではなく市民を守るべきです...」

新政党の発足と選挙への参加を認めるというアブディ政権の決定も野党を怒らせた。

専門家によると、政党が増えれば支持基盤の弱い野党は議席を減らす可能性が高いという。

ソマリランドは1991年にソマリアから独立した。国連加盟国は同国の独立を承認していないが、台湾は2020年に外交関係を結び、米国を含む10カ国が首都ハルゲイサに駐在員事務所、ケニアとエチオピアは外交使節団の公館を設置している。

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