ソマリランド政府、米国に鉱物資源提供へ、国家承認求める
「アフリカの角」に位置するソマリランドは1991年にソマリアからの分離を宣言して以降、事実上独自の政府と治安機関、通貨、パスポートを有し安定した自治を維持してきた。
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アフリカ東部・ソマリランド自治政府は22日、独立国家としての国際的な承認を得るために米国に対し鉱物資源と軍事基地へのアクセスを提供する用意があると表明した。独立を宣言してから35年、長年国際社会の承認を求めてきた同地域は、戦略的資源と地政学的な位置を外交カードとして活用する姿勢を強めている。
「アフリカの角」に位置するソマリランドは1991年にソマリアからの分離を宣言して以降、事実上独自の政府と治安機関、通貨、パスポートを有し安定した自治を維持してきた。しかし、国際的な承認は得られておらず、地域の内外でその地位を巡る議論が続いている。
ソマリランド大統領府の報道官は22日、AFP通信の取材に応じ、「米国やイスラエルなどの友好国に我々の鉱物資源の可能性を探ってもらいたい」と述べ、米国に対して戦略鉱物や希少金属への「排他的」アクセスを提供する意向を示した。また米軍の基地設置についても前向きに検討すると語り、米国との協議に期待を示した。
関係者によると、ソマリランドが保有するとされる鉱物にはリチウムやコルタン(コバルト・タンタル鉱)など、電気自動車やハイテク産業に欠かせない戦略的資源が含まれる。ただし、これら資源の埋蔵量と商業的な採掘可能性については独立した調査がまだ不十分である。
この動きは、昨年12月にイスラエルがソマリランドの独立を初めて正式に承認して以来、同地域が国際社会に向けた認知拡大の取り組みを強めていることの一環とみられている。ソマリランド指導部はこれまでにもイスラエルに戦略鉱物への特別なアクセス権を提案し、さらにイスラエルに軍事拠点設置の可能性も排除していないと述べている。
このイスラエルの承認に対して、ソマリア政府は領土保全への侵害として強く反発し、アフリカ連合(AU)や多くのアラブ諸国もこれを支持している。AUらはソマリランドをソマリアの一部とみなし、いかなる独立承認も地域の安定を損なう恐れがあると批判を続けている。
米国は現時点でソマリランドの独立承認を表明していないが、報道官は米政府との合意の可能性に楽観的な見方を示し、「米国とは何らかの合意に達できると信じている」と述べ、今後の外交交渉への意欲を強調した。
ソマリランドは紅海とアデン湾を挟んで戦略的に重要な航路にあたり、世界の主要海上交通路の近くに位置している。このため、大国間の関心が高まる可能性がある一方で、周辺地域の紛争や異なる外交路線を巡る緊張が影響を及ぼすリスクも指摘されている。
ソマリランドの提案は単なる資源・軍事アクセスの提供にとどまらず、事実上国際的な承認を勝ち取るための戦略的な外交手段として位置付けられ、今後米国とソマリランド間で対話が進展するかが注目される。
