◎ソマリアはソマリランドを自国の領土の一部とみなしており、エチオピアによる海岸線利用を「侵略」と呼んでいる。
ソマリア、首都モガディシオ(Getty Images)

アフリカ北部・ソマリアバレ(Hamza Abdi Barre)首相は27日、国連総会の演説でエチオピアを非難し、自国の領土を守ると誓った。

バレ氏はエチオピア政府がソマリランド領内におけるエチオピアの海岸利用を許可する覚書に署名したことを非難。「ソマリアの主権を侵害し、分離独立運動を強化し、ソマリアの国家統一を脅かしている」と述べた。

エチオピアとソマリランドの首脳は1月、ソマリランド領内におけるエチオピアの海岸利用を許可する覚書に署名。これにより、世界で最も人口の多い内陸国であるエチオピアはソマリランドの海岸線に海軍基地を建設できるようになった。

ソマリランド(旧イギリス領)は1991年にソマリア(旧イタリア領)から独立。国連はソマリランドの独立を承認していないが、台湾は2020年に外交関係を結び、米国を含む10カ国が首都ハルゲイサに駐在員事務所、ケニアとエチオピアは外交使節団の公館を設置している。

ソマリアはこの取引が自国の主権を侵害していると非難している。

バレ氏はこの取引が弱い立場の人間を勧誘し、過激化させるアルシャバーブのようなテロリストのプロパガンダとして機能していると主張した。

ソマリア政府はこの取引を受け、エチオピア大使を追放した。

ソマリアはソマリランドを自国の領土の一部とみなしており、エチオピアによる海岸線利用を「侵略」と呼んでいる。

ソマリランドは海岸線に沿った約20キロの土地をエチオピアに貸与。エチオピアはそこに海軍基地や港を建設する予定だ。

エチオピア政府はその見返りとして、ソマリランドの独立を承認する。ソマリア政府は戦争も辞さない構えを示している。

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