◎長く延期されていた大統領は15日に首都モガディシュの軍事キャンプで行われ、上下両院の議員327人(1人欠席)が36人の候補に投票した。
ソマリア議会は15日、新大統領に前指導者のハッサン・シェイク・モハムド(Hassan Sheikh Mohamud)氏を選出した。
長く延期されていた大統領は15日に首都モガディシュの軍事キャンプで行われ、上下両院の議員327人(1人欠席)が36人の候補に投票した。
ソマリアの選挙システムは複雑で、3万人近い氏族代表が下院議員を選び、上院議員は州議会の投票で選出される。その後、上下両院の議員328人が新大統領を選出する。
現地メディアによると、モハムド氏は第3回投票で現職のファルマージョ(Mohamed Abdullahi Mohamed Farmajo)大統領を破ったという。ファルマージョ氏は敗北を認めた。
第2回投票には1回目の上位4人が進んだものの、勝利に必要な3分の2以上を確保した候補はおらず、モハムド氏とファルマージョ氏が決選投票に進んだ。
<ソマリア大統領選 第3回投票 開票率100%>
・モハムド 214票
・ファルマージョ 110票
・無効 3票
3人の議員は票を破り捨てたと伝えられている。
モハムド氏は学者出身の66歳。2012年~2017年まで大統領を務め、イスラム過激派組織アル・シャバブを含むジハード軍の取り締まりと融和的な政策を推進した。
一方、現職のファルマージョ氏はアナリストの予想通り、再選は叶わなかった。ソマリアで2期連続大統領を務めた政治家はいない。(独裁者を除く)
ファルマージョ氏はソマリアの復興と平和を確立する象徴として2017年に選出されたため、支持者は敗北に落胆したと思われる。
ソマリアは世界で最も危険な国のひとつであり、アフリカ連合・EU・米国連合軍はアルカイダ、アル・シャバブ、アルヒジュラ、ムジャヒディン、イスラム国(ISIS)、ソマリアのイスラム国などのジハード組織と対峙している。泥沼化した内戦が終結する見通しは全く立っていない。