◎アルシャバーブは国際テロ組織アルカイダとつながりのある過激派のひとつ。
ソマリア軍と米軍の兵士(Getty Images)

ソマリア政府は20日、イスラム過激派組織アルシャバーブが中部ガルグドゥード州の軍事基地を攻撃したと発表した。

政府報道官によると、基地周辺で激しい銃撃戦となり、アルシャバーブの戦闘員100人以上が死亡したという。

アルシャバーブは国際テロ組織アルカイダとつながりのある過激派のひとつで、ソマリア南部と中部の大部分を支配し、首都モガディシオ近郊まで支配地域を拡大したとされる。

政府は声明の中で、「米軍の訓練を受けた精鋭部隊の将校を含む兵士7人が死亡した」と報告。軍事基地の防衛に成功したと言明した。また政府は戦闘を支援した同盟国に謝意を示した。

一方、アルシャバーブのメディア部門はウェブサイトに犯行声明を投稿。ソマリア陸軍の将校と兵士、合わせて150人以上を殺害したと主張した。

AP通信の取材に応じた地元住民は「基地周辺で銃撃戦が発生し、爆発音も聞こえた」と語った。

この住民によると、銃撃戦は20日の夜明け前に発生したという。アルシャバーブは基地に攻撃を仕掛けたため、民間の犠牲者は出なかったと伝えられているが、詳細は明らかになっていない。

ソマリア政府は昨年開始したアルシャバーブ掃討作戦を「全面戦争」と呼び、領土を奪還すると宣言した。

アルシャバーブはシャリア(イスラム法)に基づく国家の建設と、東アフリカに駐留する外国軍の撤退を求め、ソマリア軍だけでなく、ケニアの首都ナイロビや米軍の軍事基地などにも攻撃を仕掛けている。戦闘員数は数千人と推定されている。

政府はこの数カ月で多くの領土を奪還したと報告しているが、一部のアナリストは「領土を保持するのは困難」と指摘している。

米政府はアルシャバーブを「アルカイダ系列の最凶組織」と評している。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク