◎米政府はイスラム過激派組織アルシャバーブを「アルカイダ系の最凶組織」と評している。
ソマリア中部のある集落が空爆を受け、子供を含む数人が死傷したとみられる。地元当局が9日、明らかにした。
同国で活動する米兵を統括する米アフリカ軍司令部は8日の声明で、「ソマリア軍が6日に行った軍事作戦により、残念なことに民間人が死傷した」と明らかにしていた。
それによると、米軍は空爆に関与しておらず、現場にも出動していないという。
ソマリア政府は国際テロ組織アルカイダ系とつながりのあるイスラム過激派組織アルシャバーブと戦争状態にあり、昨年、米国やアフリカ連合(AU)などの支援を受け、掃討作戦を開始した。
米軍はドローンなどを使ってソマリア軍に航空支援を提供している。
米アフリカ軍司令部は声明の中で、「米軍が民間人を狙って空爆したというアルシャバーブの主張は虚偽である」と述べている。米国は過去に、空爆に巻き込まれた民間人が死亡したことを認めている。
6日の空爆について、目撃者や地元当局者の証言はさまざまだった。
AP通信の取材に応じた男性は「私の実家近くを通過したアルシャバーブの車列が粉々になった」と語った。
別の目撃者は「米軍の空爆だった」と主張している。「米軍は過激派討伐を目指すソマリア陸軍を空からバックアップしてくれています...」
この目撃者によると、空爆でアルシャバーブの戦闘員とみられる2人を含む5人が死亡、子供を含む5人が負傷したという。
一方、中央政府の報道官は9日、「陸軍による軍事作戦でアルシャバーブの戦闘員3人を無力化した」と記者団に語った。
また報道官は「この軍事作戦中にアルシャバーブが民家に爆発物を仕掛け、民間人を殺害した」と述べた。