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ソマリア首都にボウリング場、テロ攻撃収束で民間投資加速

ソマリアでは過去35年にわたり過激派によるテロ攻撃が相次ぎ、多くの住民が国外へ避難し、国内に残った人々も公共の場を避ける日々を送ってきた。
2026年1月15日/ソマリア、首都モガディシオのボウリング場(AP通信)

ソマリアの首都モガディシオで国内初のボウリング場「フェイヌース・ボウリングセンター(Feynuus Bowling Center)」が開業し、数十年に及ぶ紛争と治安不安を経て街の復興が進んでいることを象徴する存在となっている。紛争とアルカイダ系組織アルシャバーブの影響で長らく危険視されていたモガディシオの街角に、ピンの音と笑い声が響くようになった。

ソマリアでは過去35年にわたり過激派によるテロ攻撃が相次ぎ、多くの住民が国外へ避難し、国内に残った人々も公共の場を避ける日々を送ってきた。しかし近年、治安対策の強化や政府の影響力拡大、民間投資の増加により日常生活が徐々に取り戻されつつあり、カフェや飲食店、新たな道路、人々で賑わうビーチなど、都市の風景が変わり始めている。

このボーリング場は昨年開業し、地元住民だけでなく長年海外で暮らしていたソマリア人帰還者を引き寄せている。彼らは国外で貯めた資金を投資し、新たなビジネスや娯楽の機会を提供している。帰郷したソマリア人観光客や留学経験者らは、ボウリング場で笑顔を見せ、モガディシオの治安に対する印象が変わったと語っている。カナダ生まれのソマリア人女性は「モガディシオにこんな場所があるとは信じられなかった」と述べ、他者の訪問を促した。

モガディシュオは依然としてアルシャバーブによる攻撃の脅威が残り、街中にはチェックポイントや厳重警備区域が存在する。また外国人は主に国際空港周辺の安全区域内で行動するなど制約もある。しかし住民たちは、レクリエーションのために人々が集まれる場が生まれたこと自体を重要な心理的変化と見なしている。娯楽施設は若者や家族が安全に社交できる機会を提供し、地域の活力を高める役割も果たしている。

ボウリング場の運営責任者は若年層の娯楽需要に応えるためこの事業を始めたと語り、「少なくとも40人の若者の雇用を創出した」と経済的な効果にも言及した。統計局のデータによると、ソマリアの失業率は2月初め時点で21.4%、こうした新規事業が若年層の雇用機会を増やす一助となっている。

都市計画や経済の専門家はボウリング場のような民間事業の成長がモガディシオの復興を象徴すると評価している。これまでは国際援助や政府主導の再建が中心だったが、民間セクターの投資が進むことで経済活動が多角化し、将来的なGDP成長にも寄与すると見られている。専門家はディアスポラ帰還者や中間層のニーズに応える革新的なビジネスが「ソマリアのGDP増加見通しを高める」と指摘した。

モガディシオの街灯が灯る通りやネオン看板が輝く風景は、かつての戦禍の記憶を徐々に薄めつつある。だが専門家は、安定した治安と持続可能な成長を確保するためには、さらなる投資と社会インフラの整備が必要であると強調している。それでも、初のボウリング場開業は戦後ソマリア社会が日常を取り戻す一歩として象徴的な出来事である。

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