米国がソマリアへの援助を一時停止、対立深まる
米国務省の外国援助担当次官はX(旧ツイッター)への投稿で、ソマリア政府関係者が米国資金で建設された世界食糧計画(WFP)の倉庫を破壊し、市民向けの食料を違法に押収したと主張。これを受け、ソマリア政府への支援を一時停止すると表明した。
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米国とソマリアの関係は8日、トランプ政権がソマリア政府への支援を目的とする援助を一時停止すると発表したことを受けて大きく冷え込み、両国関係は新たな低水準に達した。米国務省の外国援助担当次官はX(旧ツイッター)への投稿で、ソマリア政府関係者が米国資金で建設された世界食糧計画(WFP)の倉庫を破壊し、市民向けの食料を違法に押収したと主張。これを受け、ソマリア政府への支援を一時停止すると表明した。
米国が指摘した施設は「ブルー倉庫」と呼ばれ、専門的な栄養食を保管していた重要施設だったとされる。WFPの報道官は、この倉庫が妊娠中や授乳中の女性、子どもなどの栄養治療に不可欠な食料を保管し、約440万人が危機的な飢餓状態にある中で緊急支援の運用に重要な役割を果たしていたと説明した。しかし、ソマリア外務省は米側の主張を否定し、倉庫の「撤去」は港湾の拡張計画に伴うもので、援助物資の管理や配布に影響は出ていないと反論した。
米国務省は声明で、ソマリア政府が「責任を果たし、適切な是正措置を講じること」を援助再開の条件とする方針を示した。今回の措置によって影響を受ける援助額は明らかになっていないが、トランプ政権は対外援助を大幅に削減し、アフリカにおける米国の援助重視から貿易重視への政策転換を進めている。
ソマリアは長年にわたり政治的不安定と治安上の脅威、特にイスラム過激派組織アルシャバーブによるテロ活動に苦しんでおり、米国は政府支援や治安能力強化に重要な役割を果たしてきた。今回の援助停止は、こうした安全保障協力にも影響を及ぼす可能性がある。
両国関係の緊張は、米国内の移民政策や国内政治の動きとも重なっている。トランプ政権はソマリア出身者に対する入国規制を強化し、米国内のソマリア系コミュニティに対しても調査を強化している。特にミネソタ州ではソマリア系住民を巡る詐欺事件の報道が注目を集め、こうした動きが二国間関係に影を落としているとの指摘がある。
ソマリア政府は米国の主張に対して反発を強め、今回の対立は両国の外交関係に深刻な溝を生む格好となった。国際社会や人道支援団体は、飢餓と不安定な情勢に直面するソマリア国民への影響を懸念している。援助停止措置がどの程度続くか、また双方が歩み寄る可能性があるかは今後の交渉にかかっている。
