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ソマリア政府、米国支援の下でアルシャバーブへの攻撃強化

政府は米軍による空爆と地上部隊の作戦拡大により、アルシャバーブの支配地域の奪還や指導部・爆弾製造ネットワークへの打撃といった成果が出ているとしている。
イスラム過激派組織アルシャバーブの戦闘員(Getty Images/EPA通信)

ソマリア政府は18日、米国の支援を受けてイスラム過激派組織アルシャバーブに対する軍事作戦を強化し、戦局に大きな進展がみられると発表した。政府は米軍による空爆と地上部隊の作戦拡大により、アルシャバーブの支配地域の奪還や指導部・爆弾製造ネットワークへの打撃といった成果が出ているとしている。今回の攻勢はアフリカ連合(AU)平和維持部隊が段階的に撤退し、ソマリア側が自国の安全保障責任をより大きく担う時期と重なっている。

アルシャバーブは2000年代半ばに、かつてのイスラム連合の軍事部門として台頭し、国際テロ組織アルカイダと結びついた過激派として南部・中部ソマリアの広範な地域を支配した。その後、2011年にAU部隊が首都モガディシオからの排除に成功したものの、同組織はゲリラ戦術、自爆攻撃、暗殺などに戦術を転換し、強制徴税や恐喝で活動資金を稼ぎ続けてきた。

ソマリア政府軍と米国の統合部隊は中南部の主要地域で、かつてアルシャバーブの勢力下にあった地区を奪還したとされる。国防省はX(旧ツイッター)への投稿で、「中南部の主要都市、長年テロリストの拠点だった場所を掌握した」と明らかにした。この制圧は米国の航空支援とドローンによる監視の強化によって可能になったとの見方が示されている。

米国はアフリカ軍指令部(AFRICOM)を通じてソマリア政府と連携し、アルシャバーブの高官、訓練キャンプ、武器施設を標的とした空爆を展開している。国防省は即席爆発装置(IED)の製造施設や爆発物搭載車両を破壊し、戦闘能力に打撃を与えたと説明した。一方で、アルシャバーブ側はこれらの損失を認めておらず、独立した検証が困難な地域も多い。

専門家は空中戦力と情報活動の強化が戦局に大きな影響を与えているものの、依然として多くの課題が残ると指摘する。政府が奪還した地域では地元統治や援助、復興支援の提供によって、アルシャバーブの再侵攻を防ぐことが不可欠とされる。過去の攻勢では政府軍が撤退した後にアルシャバーブが再び勢力を伸ばした事例もあり、持続的な統治能力の強化が求められている。

また、ソマリアは気候変動による干ばつ、連邦政府と地方当局との政治的緊張、治安・人道支援活動への資金不足といった複合的な圧力にも直面している。これらが安定化努力に影響を与える可能性があるため、国際的な支援の継続が重要だという意見もある。

政府は国際パートナーと連携しつつ地上攻撃、情報収集、復興計画を進める方針を示しているものの、アルシャバーブはアフリカで最も耐久力のある過激派の一つとされ、根絶には長期的な取り組みが必要である。最終的には、ソマリア政府が自国の領土を治安・統治の両面で維持できるかが、安定化の鍵となる。

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