ソマリア議会が憲法改正案を可決、野党や地方自治体反発
ソマリアは1991年の独裁体制崩壊以降、政治体制が長らく確立されず、氏族間の対立やアルカイダ系組織アル・シャバーブの脅威にさらされてきた。
とファルマージョ大統領(Farah-Abdi-Warsameh/AP通信).jpg)
ソマリア連邦議会は5日、モハムド(Hassan Sheikh Mohamud)大統領が主導する憲法改正案を賛成多数で可決・承認した。この改正は大統領の任期を事実上延長し、予定されていた選挙を1年先送りする可能性がある内容となっている。議会は上下両院の合同で採決を行い、過半数の賛成をもって改正を可決した。今回の改正は議員の任期と大統領の任期をそれぞれ従来の4年から5年に延ばす規定を盛り込んでおり、政府高官や議会指導部はこれがソマリア政治の安定と憲法の完成に向けた重要な一歩であると強調している。
承認された憲法改正案についてモハムド氏は記者会見で、「長年にわたり足かせとなっていた憲法プロセスが完了した歴史的な日だ」と述べ、議会の決定を歓迎した。政府関係者によると、この改正案は暫定憲法を正式な憲法へ移行させる長年の取り組みの一環として位置づけられているという。
一方、改正案には強い批判もある。反対派の議員や元首相などは、改正を強行することで選挙の時期を遅らせ、大統領の在任期間を延ばす意図があるとして強く反発した。複数の野党指導者は本来予定されていた5月の総選挙を予定通り実施すべきだと主張し、議会の決定に法的異議を唱える構えも見せている。
今回の改正を巡っては地域間の緊張も高まっている。南部の自治区ジュバランドは連邦政府が十分な合意を得ないまま憲法改正を進めたとして反発しており、改正に法的正当性がないとの立場を示している。地方自治体の一部は今回の改正を受け入れない意向を表明し、国内の政治的対立が深刻化する可能性も指摘されている。
ソマリアは1991年の独裁体制崩壊以降、政治体制が長らく確立されず、氏族間の対立やアルカイダ系組織アル・シャバーブの脅威にさらされてきた。国際社会の支援を受けるアフリカ連合(AU)の平和維持部隊が治安情勢の改善に一定の成果を挙げているものの、都市部や農村部での過激派によるテロ攻撃は依然として続いている。
今回の憲法改正は長引く政治的移行期を終わらせ、国の統治体制を強化する試みと政府側は位置づけているが、反対派や地域勢力は透明性と包括性を欠いた手続きだと批判している。専門家の間では、改正がソマリア国内の政治的不安を一層深める可能性を懸念する声もある。改正内容が実際にどのように運用されるか、今後の政治的動向が注目される。
