◎抗議デモは10日朝から始まり、その後、一部の暴徒が機動隊と衝突したと伝えられている。
シエラレオネ当局は11日、首都フリータウンで行われた無許可の抗議デモが暴動に発展し、警察官6人を含む民間人少なくとも21人が死亡したと報告した。
抗議デモは10日朝から始まり、その後、一部の暴徒が機動隊と衝突したと伝えられている。政府は夜間外出禁止令を発令した。
インフレなどに抗議するために最初に集まった女性数十人は抗議が暴動に発展したため、避難した。
ロイター通信は警察筋の話を引用し、「警察官6人が殺害された」と報じているが、どのような状況で殺害されたかは分かっていない。
民間人が死亡した経緯も不明である。
警察によると、暴動に関与した数十人が逮捕されたという。フリータウンの医療機関はロイター通信の取材に対し、「数十人が搬送された」と説明した。
AFP通信によると、フリータウン東部の地区でデモ隊が機動隊に石や棒を投げつけ、機動隊は催涙ガス弾で応戦したという。
デモに参加したという男性はAFPに「警察は実弾を使った」と説明した。
暴動に関与しなかった抗議者たちはビオ(Julius Maada Bio)大統領の退陣を求めてフリータウンを行進した。
世界各国のインターネット接続状況を監視する英団体ネットブロックス(NetBlocks)は10日、シエラレオネ全土のインターネット通信がほぼ遮断され、全国の接続状況は10日午後の時点で通常の5%にとどまっていると報告した。
ネットブロックスによると、通信はその後回復したという。
政府は8月6日付けの声明で、「暴動につながりかねないSNSメッセージを確認したが、抗議デモの開催を求める団体や個人は今のところおらず、許可なしデモは取り締まりの対象になる可能性がある」と述べていた。
ジャロー(Mohamed Juldeh Jalloh)副大統領は10日のテレビ演説で、「一部の利己的なシエラレオネ人が政府の転覆を試み、機動隊に暴力を振るい、略奪を働いた」と非難した。「政府は平和的な抗議デモを含む、一般市民の基本的権利の保護と法秩序を維持するとコミットします。治安部隊は政府の指示を履行する権限を与えられています...」
フリータウンでは先月からインフレに抗議するデモが行われていた。ロイター通信によると、無許可デモを行ったとして女性少なくとも50人が逮捕されたものの、その後無罪放免で釈放されたという。
10日の行進に参加した女性はAFP通信の取材に対し、「暴力ではなく、言葉で政府に想いを伝えることが重要だ」と語った。「私たちはインフレで生活が厳しいこと。女性の権利が尊重されていないこと。言論の自由が保障されていないことに抗議しています...」
国連は暴動に懸念を表明し、政府に完全な調査とその結果を公表するよう求めた。
シエラレオネのインフレ率はこの数カ月で急騰し、食料品の価格は40%以上上昇した。