◎セネガルは西アフリカで最も安定した民主主義国家のひとつであり、大統領選が延期されたことは一度もない。
セネガルのサル(Macky Sall)大統領は26日、雨季が始まる7月頃までに大統領選を実施すると発表した。
サル大統領は今月初め、一部の候補者が失格になったり、汚職疑惑が報じられたことに対応するため、2月25日に予定されていた大統領選を延期すると発表。新たな投票日を12月15日に設定し、国会の政府与党もこれを承認した。
しかし、憲法評議会は15日、大統領選の延期は違憲であると裁定。サル政権に対し、できるだけ早く大統領選を実施するよう命じた。
サル大統領は4月2日の任期満了を持って退任すると改めて表明。「次期大統領は公正な選挙で選ばれる」と強調した。
地元メディアによると、選挙に立候補した16人の候補はサル大統領との対話を拒否し、憲法評議会の決定に基づき、速やかに選挙を行うよう改めて強く要請したという。
首都ダカールで開催されている国民対話には政府与党や野党の議員、人権団体や宗教指導者などが出席している。
サル大統領は「対話と協議こそが問題を解決し、民主主義を追求する唯一の手段である」と述べた。
サル大統領が退任した後に発足するとみられる暫定政権の詳細は明らかになっていない。
セネガルは西アフリカで最も安定した民主主義国家のひとつであり、大統領選が延期されたことは一度もない。
今回の大統領選はサル大統領に3選を断念させた昨年の暴動から、野党候補の失格処分まで、様々な論争に悩まされてきた。同国の憲法は3選を禁じている。
サル大統領は国民対話の中で、昨年の暴動などに関与し逮捕・投獄された数百人に恩赦を与えると発表したが、それに野党党首ウスマン・ソンコ(Ousmane Sonko)氏が含まれるかどうかは不明である。
ソンコ氏は性的暴行罪などで実刑判決を受け、収監中。選挙への出馬も禁じられている。
ソンコ氏の弁護団は一連の訴訟を「サル政権による陰謀」と主張している。