◎セネガルは西アフリカで最も安定した民主主義国家のひとつであり、大統領選が延期されたことは一度もない。
セネガルのマッキー・サル大統領(Getty Images)

セネガル政府は16日、憲法評議会が大統領選の延期は違憲であると裁定したことを受け、できるだけ早く大統領選を実施すると約束した。

サル(Macky Sall)大統領は今月初め、一部の候補者が失格になったり、汚職疑惑が報じられたことに対応するため、2月25日に予定されていた大統領選を延期すると発表。新たな投票日を12月15日に設定し、国会の政府与党もこれを承認していた。

しかし、憲法評議会は15日、延期を違憲と裁定し、政府に対し、できるだけ早く大統領選を実施するよう命じた。この決定に上訴することはできない。

また同評議会は「現在の状況で2月25日に大統領選を行うことは不可能である」と認めたうえで、速やかに投票日を設定し、準備を進めるよう命じた。

さらに、サル大統領は任期満了を迎える4月2日以降、その地位にとどまることはできないと強調した。

大統領府の報道官は声明で、「サル大統領は憲法評議会の決定を遵守し、できるだけ早く選挙を実施するよう関係閣僚に命じた」と明らかにした。

セネガルは西アフリカで最も安定した民主主義国家のひとつであり、大統領選が延期されたことは一度もない。

今回の大統領選はサル大統領に3選を断念させた昨年の暴動から、野党候補の失格処分まで、様々な論争に悩まされてきた。

サル大統領は昨年、憲法を改正して3選を目指す可能性があると示唆したものの、これに反対するデモが暴動に発展、死傷者が出る事態となり、最終的に3選を目指さないと表明していた。

当局はこの暴動を抑えるために機動隊を投入。インターネット通信を遮断し、SNSで情報を共有するデモ隊の動きを封じた。機動隊の取り締まりにより死亡した民間人は少なくとも3人確認されている。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク