◎サル大統領は3日間の国喪を宣言し、祝祭行事もすべて中止するとした。
セネガルのマッキー・サル(Macky Sall)大統領は27日、西部の病院火災で新生児11人が死亡したことを受け、国内の医療機関に監査を命じた。
病院火災は25日の深夜に発生した。政府の報道官は院内の電気系統不備が原因と説明している。
サル氏は26日に保健相を解任し、前公衆衛生局長を後任に指名した。
しかし、子供を失った両親、関係者、医療機関の改善を求める人々はさらなる行動を要求している。
サル氏はセネガルの医療制度を「時代遅れ」と呼び、新生児医療サービスの全国監査を行うと発表した。
またサル氏は医療制度の近代化が進んでいないことを認め、同種事故を発生させないための取り組みを進めると誓った。
セネガルでは昨年4月にも北部の病院で火災が発生し、新生児4人が死亡している。この火災も電気系統の故障が原因と結論付けられた。
地元メディアによると、公立病院は予算不足に悩まされているという。
北西部の町の公立病院では先月、帝王切開を求める妊婦が必要な支援を受けられず、その後死亡した。この事件では助産婦3人が執行猶予付きの有罪判決を受けている。
政府は今回の病院火災も電気系統の不備と説明しているが、詳細はまだ明らかにしていない。この病院の新生児病棟は昨年運用を開始した。
ソーシャルメディアには制裁を求める投稿が多数寄せられている。
医療制度の改革を求める団体はSNSに、「大臣を解任しても病院を改修しなければ事故は防げない」と投稿している。
サル氏は3日間の国喪を宣言し、祝祭行事もすべて中止するとした。
一方、事故を調査している司法当局は、「責任者を厳しく追及する」としている。
セネガルはこの地域を代表する民主主義国家のひとつで、近隣諸国に比べると優れた医療制度を構築している。
しかし、都市部と小さな集落のサービスには大きな差があり、国民は不満を募らせている。