◎地元の漁師が3人を救助し、海軍に引き渡した。
アフリカ西部・セネガルの海岸(Getty Images)

セネガル沖で移民を乗せたボートが転覆し、4人が死亡、数人が行方不明になっている。地元当局が9日、明らかにした。

それによると、事故は首都ダカールの南方約80キロに位置する港町の沖合で8日午後に発生。スペイン領カナリア諸島に向かったとみられるボートが沖合数キロの地点で転覆したという。

地元の漁師が3人を救助し、海軍に引き渡した。

海軍は声明で、「この3人は移民とみられ、正確な乗員数は不明だが、10数人が乗っていたとみられる」と述べた。

海軍はその後、現場海域で4人の遺体を収容したと明らかにした。

近年、セネガル経由で西アフリカを出国する移民の数が急増しており、その多くが紛争や貧困から逃れるためにカナリア諸島を目指している。

スペイン内務省の統計によると、今年カナリア諸島に到着した移民は先月中旬時点で2万2300人超。昨年同期比126%増となっている。昨年通年の到着者は過去最多の5万5618人であった。

セネガル当局は先月、453人の不法移民と人身売買組織のメンバーを逮捕したと明らかにした。それによると、逮捕者の半数以上がセネガル人であった。

今年7月にはガンビアとセネガルの移民約300人を乗せたボートがモーリタニア沖で転覆。10数人が死亡し、少なくとも150人が今も行方不明のままである。

西アフリカからカナリア諸島を目指すルートは世界で最も危険な航路のひとつであり、毎年数千人が死亡または行方不明になっている。

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