◎セネガル海軍は22日夕方にこのボートを探知し、現場に巡視艇を派遣。船内を調べたところ、移民とみられる大量の遺体を発見した。
アフリカ西部・セネガル沖を漂流していたボートから少なくとも30人の遺体が発見された。同海軍が23日、明らかにした。
それによると、海軍は22日夕方にこのボートを探知し、現場に巡視艇を派遣。船内を調べたところ、移民とみられる大量の遺体を発見したという。
ボートは首都ダカール沖約70キロの地点で見つかった。
海軍の報道官は声明で、「隊員が船内を捜索し、これまでに30人の死亡を確認した」と述べた。
それによると、遺体は腐敗が進み、一部白骨化していたという。身元と国籍は明らかになっていない。
近年、セネガル経由で西アフリカを出国する移民の数が急増しており、その多くが紛争や貧困から逃れるためにスペイン領カナリア諸島を目指している。
今月初めにはセネガル沖で89人の移民を乗せたボートが転覆。少なくとも37人が死亡した。
スペイン内務省の統計によると、今年カナリア諸島に到着した移民は先月中旬時点で2万2300人超。昨年同期比126%増となっている。昨年通年の到着者は過去最多の5万5618人であった。
今年7月にはガンビアとセネガルの移民約300人を乗せたボートがセネガル北部のモーリタニア沖で転覆。10数人が死亡し、少なくとも150人が行方不明のままである。
西アフリカからカナリア諸島を目指すルートは世界で最も危険な航路のひとつであり、毎年数千人が死亡または行方不明になっている。