セネガルが同性愛行為に対する罰則を強化、反LGBT法成立
法案は今月、首都ダカールの国民議会で採決され、圧倒的賛成多数で可決された。反対票はなく、棄権は3人のみだった
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西アフリカのセネガルで同性愛行為に対する刑罰を強化する法案が議会で可決された。イスラム教徒が多数を占める同国において、LGBTQ+(性的少数者)への規制をさらに厳格化する動きとして注目されている。
法案は今月、首都ダカールの国民議会で採決され、圧倒的賛成多数で可決された。反対票はなく、棄権は3人のみだった。今後、大統領の署名を経て正式に成立する見通しだ。
法案は同性間の性行為を「自然に反する行為」と位置付け、従来よりも重い刑罰を定めている。これまでセネガルの刑法では、同性愛行為は1年から5年の禁錮刑と罰金の対象とされていたが、改正案では禁錮刑の上限が5年から10年に引き上げられる。また罰金も最大で1000万CFAフランに増額される。
さらに法案では、同性愛そのものだけでなく「同性愛の促進」や「資金提供」とみなされる行為も処罰対象となる。これは性的少数者の権利を支援する団体や活動を抑制する狙いがあるとみられている。政府側は1966年に制定された現行法は「寛大すぎる」として、社会の価値観に合わせて厳格化する必要があると説明している。
この法案は2024年の選挙で政権を獲得した与党勢力が掲げた公約の一つでもある。提案したソンコ(Ousmane Sonko)首相は、同性愛に対する規制強化を支持する宗教団体や保守的な市民の声を背景に、法改正を推進してきた。議会審議でも大きな反対は見られず、短期間で可決に至った。
一方で人権団体などは、この法改正が性的少数者への差別や暴力をさらに助長する恐れがあると懸念している。近年セネガルでは同性愛をめぐる摘発や逮捕が相次いでおり、活動家らは社会的な敵意が強まっていると指摘している。
同性愛行為はセネガルでは独立後まもない1966年から違法となり、刑法第319条に基づいて処罰されてきた。法律上の保護もほとんどなく、性的少数者は社会的差別や嫌がらせに直面している。
アフリカでは現在、30カ国以上で同性間の関係が犯罪となっている。近年はガーナやブルキナファソなどでも規制強化の動きが見られ、セネガルの今回の法改正は地域全体で広がる反LGBT法制強化の流れの一例と指摘されている。
