タンザニア大統領選、抗議デモ激化、10人死亡、外出禁止令も
投票は29日に行われ、その日にデモが激化。当局はインターネット通信を遮断し、政府は全国に夜間外出禁止令を発令している。
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アフリカ東部・タンザニアで大統領選挙と政府与党に抗議するデモが激化し、少なくとも10人が死亡した。国連が10月31日、明らかにした。
最大都市ダルエスサラームでは数百人のデモ隊が警察と衝突した。
投票は29日に行われ、その日にデモが激化。当局はインターネット通信を遮断し、政府は全国に夜間外出禁止令を発令している。
野党は信頼性に欠けるとして、選挙管理委員会に集計を停止するよう要求している。
国連は過去3日間のデモで10人が死亡したという信頼できる報告を受けたと発表した。
与党・タンザニア革命党(CCM)とハッサン(Samia Suluhu Hassan)大統領に抗議する野党支持者たちは各地で抗議デモを展開中。放火や略奪も報告された。
国営テレビは「ハッサン氏の再選確実」と報じている。
ハッサン氏はほとんど知られていない16人の候補の挑戦を受けた。
一方、主要野党2党の候補は立候補を禁じられている。
ハッサン氏の最大のライバルである野党指導者トゥンドゥ・リス(Tundu Lissu)氏は今年4月に逮捕され、国家反逆罪で起訴された。
AP通信によると、ダルエスサラーム警察は市内各地に機動隊を展開し、暴動に備えたという。
インターネットが遮断された結果、国内線はすべて欠航となっている。現地メディアによると、多くの海外旅行者が空港で立ち往生しているという。
欧州議会は10月30日の声明で、「タンザニアの選挙は自由でも公正でもない」と非難。同盟国に対し、民主主義と人権を守るために断固として立ち向かうよう呼びかけた。
CHADEMAはリス氏の裁判を「弾圧」と呼び、「司法がCCMの圧力に屈した」と非難してきた。
リス氏は2017年の暗殺未遂事件で16発の銃弾を浴びながらも生還。2020年の大統領選で与党候補に敗れた。この暗殺未遂事件は未解決で、誰も逮捕されておらず、CHADEMAはCCMが暗殺者を送り込んだと主張している。
