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南アフリカ26年第1四半期「企業景況感」改善、中東紛争がリスクに

南アフリカ経済はエネルギー価格や貿易リスク、治安問題、失業率の高さなど多くの課題を抱えており、外部の地政学リスクがこれらの懸念をさらに複雑化させている。
南アフリカ、ヨハネスブルグ(Getty Images)

南アフリカ共和国の2026年第1四半期(1~3月)の企業信頼感指数が前期比で改善し、47ポイントとなった。現地メディアが4日に報じた。

この水準はパンデミック後の回復期を除けば、2015年以来の高水準を示している。指数は大手銀行ランド・マーチャント・バンク(RMB)が経済研究局(BER)と共同で実施した調査にもとづく。

調査によると、信頼感の改善要因として、政府の安定性や政策金利の据え置き、および為替市場での南アフリカ・ランドの堅調な推移が挙げられている。昨年から続く利下げや施政方針演説が企業部門にとって好感され、信頼回復に寄与したとの分析もある。

しかし、企業の見通しには依然として不透明感があり、地政学的なリスクが重くのしかかっている。調査の共同責任者であるアイザ・ムランガ(Ajza Muranga)氏は「南アフリカの統制を超えた地政学的展開が、多くの企業にとって最大の懸念事項だ」と指摘した。特に、中東地域の紛争激化がサプライチェーンに影響を及ぼし、エネルギー価格を押し上げる可能性があるとして、経済への悪影響を懸念する声が強まっている。

この懸念は中央政府も共有している。ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は4日、中東の戦闘激化がアフリカ大陸の物流網に負荷をかけ、エネルギー価格を上昇させているとの見解を示した。中東情勢の不安がサプライチェーンや輸送コストを通じて国内経済にも波及しているとの認識を示し、警戒を強めている。

信頼感指数の改善自体は政策や金融環境の下支えを反映するものだが、持続可能な経済成長につなげるには、国内の需要強化や構造改革の進展が不可欠だと専門家は指摘する。ムランガ氏は「信頼感の持続的な改善は需要の強さ、政策の信頼性、構造改革の進捗にかかっている」と述べ、2026年を通じて成長を定着させることが最大の課題だと強調した。

企業活動全般に関する別の指標でも弱さが見られる。2月の購買担当者景気指数(PMI)は50.0で横ばいとなり、製造業を中心に需要環境が依然として控えめであることを示した。これは企業信頼感指数の改善と並行しつつも、実体経済の回復が完全ではないことを示唆している。

南アフリカ経済はエネルギー価格や貿易リスク、治安問題、失業率の高さなど多くの課題を抱えており、外部の地政学リスクがこれらの懸念をさらに複雑化させている。中東情勢の行方によっては、企業の投資判断や市場センチメントに再び逆風が吹きかねないとの見方も根強い。

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