◎人々は伝染病のリスクを顧みず、濁った水を水筒に入れる。
2018年5月13日/ルワンダ北部、水を探す子供たち(World Vision/Jon Warren)

ルワンダの貧しいコミュニティは清潔で安全な水の確保に苦労している。

首都キガリの郊外で活動するある企業は地下水を浄化し、地域の住民に手頃な価格で販売することで水の問題を解決しようとしている。

キガリの北を流れるニャバゴゴ川は地元の人々に欠かせない重要な水源だが、洗濯や掃除以外には利用できない。飲料水が必要なときは小さな水源を利用する。しかし、安全な水を確保することは難しく、子供を含む住民の大半が濁った水で我慢している。

人々は伝染病のリスクを顧みず、濁った水を水筒に入れる。ひどいときは牛が水浴びをした水たまりの水を使うこともある。

ルワンダ水資源局のデュフーズ氏はアフリカニュースの取材に対し、「水の確保はルワンダの最優先課題のひとつ」と語った。「飲料水、家庭用水、灌漑(かんがい)用水、水力発電用水など、私たちは多くの場面で水を必要としています。しかし、他国と比較すると、国民が利用できる水は限られています...」

キガリで事業を立ち上げたイシムウェ氏は水の問題を克服するために奮闘している。

イリバ・ウォーター・グループ(IWG)はキガリの工場で地下水を浄化し、地元住民に提供している。

イシムウェ氏は公式ホームページの中で、「プロジェクトの目的は清潔な水にアクセスできない人たちに水を提供すること」と述べている。

IWGは市内の低所得者層が働くキムイロンコ市場のキオスクに専用の自動販売機を設置した。ミネラルウォーターの価格は100ルワンダフラン(約12円)。他のメーカーのミネラルウォーター(ペットボトル)は1,000Rフラン前後で販売されている。

市場で働く男性はアフリカニュースに、「私の収入で1,000Rフランのペットボトルは買えないが、100Rフランであれば買える」と語った。

キオスクで働いている男性によると、IWGの水は飛ぶように売れるという。「多くの人がミネラルウォーターはお金持ちのものと思っていましたが、100Rフランなら買えます。私たちは浄化した水に満足していますし、衛生面でも全く問題なく、泥水を飲んでいた時のことを考えているとはるかに衛生的かつ健康的です...」

イシムウェ氏は「困っている人たちにサービスを提供したい」と述べているが、成果はそれだけにとどまらない。

IWGは市内の学校にディスペンサー(液体を精密に定量排出する機器)付きウォーターサーバーを貸し出している。生徒は学期初めに1,500Rフラン(180円)を学校に支払う。

イシムウェ氏は「学校の要望を受け、ディスペンサー付きサーバーを開発、設置した」と述べた。「市内の学校に清潔な水を提供できる設備はありません。生徒たちは安全とは言えない水道の水を飲んでいます。汚染水を飲むことで多くの生徒が下痢や腸チフスに悩まされています」

IWGは「学校用タップ・ドリンク(押せば水が出る)プロジェクト」を全国に展開したいと考えている。

またIWGは農村部を含む他の地域にも供給を拡大する予定である。ユニセフによると、ルワンダの人口の約50%は清潔な水を得られず、自宅から30分以上かけて水汲み場まで移動しているという。

イシムウェ氏はアフリカニュースに、「ルワンダは常に持続可能を目指し、清潔な水への普遍的なアクセスを確保するために、私たちが行っているようなプロジェクトや企業を支援、促進しなければならないと考えています」と語った。

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