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▽M23がゴマを制圧して以来、1000人近くの遺体が市内の病院や安置所に運び込まれたと伝えられている。
2025年1月31日/コンゴ民主共和国、北キブ州ゴマ、M23の戦闘員(Getty Images/AFP通信)

アフリカ中央部・コンゴ民主共和国の北キブ州ゴマを占領した反政府勢力M23(3月23日運動)が南キブ州の州都ブカブから100キロほどの地点に位置する町を占領した。地元当局が5日、明らかにした。

M23は先月末にゴマを占領。南キブ州ブカブに進軍中とみられる。

M23は3日、一方的に停戦を宣言した。しかし、中央政府はこれを「偽情報」とし、ゴマ周辺で激しい戦闘が続いていると明らかにした。

M23がゴマを制圧して以来、1000人近くの遺体が市内の病院や安置所に運び込まれたと伝えられている。

欧米諸国は隣国ルワンダによるM23への軍事支援を非難。一部の国は援助停止を決めている。

ルワンダ軍はM23を積極的に支援し、ゴマ市内で堂々と活動中。ゴマ郊外でコンゴ軍と交戦中とみられる。

ルワンダ大統領府は先月末、「コンゴとの全面戦争に応じる用意がある」と表明した。

南キブ州に拠点を置く市民グループの代表はAP通信の取材に対し、「ブカブから100キロほど離れた鉱山の町がM23の支配下に置かれた」と語った。

それによると、この町はブカブとゴマの中間に位置し、先週M23が占領したという。

市民グループの代表はAPに「M23の停戦宣言は煙幕であり、複数カ所で激しい戦闘が続いている」と語った。

コンゴ政府はこの町に言及していないが、ゴマ郊外でM23とルワンダ軍の攻撃を食い止めていると主張している。

ロイター通信は南キブ州政府関係者の話しとして、「M23・ルワンダ連合軍はブカブに接近しており、陥落は時間の問題である」と伝えている。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。ルワンダはコンゴ政府が組織的に大虐殺の加害者であるフツ族を匿っていると主張している。

ルワンダ大虐殺の犠牲者は80万~100万人と推定されている。フツ族の過激派はツチ族だけでなく、フツ族の穏健派も殺害した。

国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。

政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。

ゴマには国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の本部と南部アフリカ地域圏の基地があり、郊外の避難民キャンプでは少なくとも200万人がテント生活を送っている。

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