▽国連はM23がゴマを制圧して以来、3000人近くが死亡、約2900人が負傷したと報告している。
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アフリカ中央部・コンゴ民主共和国の東部地域で猛威を振るう反政府勢力M23(3月23日運動)が南キブ州の州都ブカブに入った。地元当局が14日、明らかにした。
M23が主導する「コンゴ川同盟」は先月末に東部・北キブ州の州都ゴマを制圧。南キブ州ブカブに進軍した。
M23は今月初めに一方的に停戦を宣言したが、ゴマ郊外ではそれ以降も激しい戦闘が続いている。
国連はM23がゴマを制圧して以来、3000人近くが死亡、約2900人が負傷したと報告している。実際の死傷者数はもっと多いという情報もある。
欧米諸国は隣国ルワンダによるM23への軍事支援を非難。一部の国は援助停止を決めている。
ルワンダ軍はM23を積極的に支援し、ゴマ市内で堂々と活動中。ゴマ郊外でコンゴ軍と交戦中とみられる。
ルワンダ大統領府は先月末、「コンゴとの全面戦争に応じる用意がある」と表明した。
AP通信は南キブ州当局者の話しとして、「M23がブカブ市内に入り、中心部に向かっている」と報じた。それによると、市内の一部地域で戦闘が起きているという。
ソーシャルメディアに投稿された動画には、車に乗ったM23の戦闘員とみられる集団が幹線道路を悠々と進む様子が映っていた。
別の動画には大きな荷物を持って避難する人々の姿が映っている。「彼らが来た。早く逃げないと...」
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は14日、この紛争により、約35万人の避難民がテントを失い、屋外で寝泊まりしていると明らかにした。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。
1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。ルワンダはコンゴ政府が組織的に大虐殺の加害者であるフツ族を匿っていると主張している。
ルワンダ大虐殺の犠牲者は80万~100万人と推定されている。フツ族の過激派はツチ族だけでなく、フツ族の穏健派も殺害した。
国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。
政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。
ゴマには国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の本部と南部アフリカ地域圏の基地があり、郊外の避難民キャンプでは少なくとも200万人がテント生活を送っている。
M23はブカブから30キロほど離れた地点にある空港も占拠したとみられる。政府と軍はコメントを出していない。
この空港はゴマが占領された後、最初の標的となった。国連によると、この空港は東部地域の貿易とゴマへの人道援助の受け入れ口であり、多くの国際機関が物資の搬入に利用しているという。