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スーダン準軍事組織RSFが東部地域で攻勢強める、内戦激化

RSFは先週、米国主導の調停団が提案した「人道的停戦」に合意したと発表。軍事政権は停戦を認めていない。
スーダン、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘員(Getty Images)

アフリカ北東部・スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が戦線を西部ダルフール地方から東部に移している。

ロイター通信は13日、RSFが石油産出地域である南部全域で国軍に対するドローン攻撃を激化させていると報じた。

RSFは先週、米国主導の調停団が提案した「人道的停戦」に合意したと発表。軍事政権は停戦を認めていない。

RSFはダルフール最後の軍政拠点エルファーシルを制圧し、コルドファンに進攻。国軍への攻撃を続けている。

エルファーシルは首都ハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍政の最後の主要拠点になっていた。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲していた。

RSFは今夏に樹立した新政府「スーダン建国同盟指導評議会(TASIS)」の拠点をエルファーシルと主張している。

国連機関などで構成する「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の検討委員会はエルファーシルを含む2地域で「飢きん」が発生していると警告している。

IPCは食料へのアクセス、消費、栄養状態、生計手段など複数の指標を総合的に分析し、状況を5つのフェーズに分類する。フェーズ1は「最小限」、フェーズ2は「ストレス」、フェーズ3は「危機」、フェーズ4は「緊急」、フェーズ5は「大惨事/飢きん」である。

ロイターによると、双方は現在、3州からなるコルドファン地域に戦力を集中させているとみられる。

RSFは支配地域の拡大を目指し、国軍はダルフール奪還に向け、コルドファンに進攻したRSF部隊を迎え撃つ構えだ。

コルドファンはダルフールと軍政支配下の東部州との緩衝地帯として機能している。

AP通信は情報筋の話しとして、「軍政はRSFがダルフールから撤退しない限り、停戦には応じないと主張している」と報じた。

国連によると、コルドファンではRSFが進攻して以来、5万人余りが避難を余儀なくされているという。

軍政とRSFは23年4月からハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では数千人が餓死者したという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。

正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。

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