スーダン準軍事組織RSFが新政府樹立、内戦激化

軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
スーダン軍政を率いるブルハン将軍(右)と即応支援部隊のダガロ司令官(Getty Images)

アフリカ北東部・スーダンの悪名高い準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が26日、新政府を立ち上げ、軍事政権を打ち負かすと誓った。

スーダン建国同盟指導評議会(TASIS)と名乗るこの新政府はRSFのダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官が率いている。

新政府はダガロ氏が15人の委員で構成される大統領評議会の議長を務めると主張した。

TASISによると、ダガロ氏に近い野党政治家が首相に就任する予定。

TASISは声明で、「この歴史的な成果を祝して、評議会は何十年にもわたる壊滅的な戦争の炎に耐えてきたスーダン国民に、お祝いの言葉と祝福を贈ります」と述べている。

首都ハルツームに拠点を置く軍政はコメントを出していない。

軍政とRSFは23年4月からハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。

正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14か月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。

新政府は3年目を迎えた内戦を激化させ、分断を深刻化させる可能性がある。

軍は5月、RSFをハルツームから追い出した。

RSFは今月、北コルドファン州の複数の集落を襲撃し、300人以上を殺害したとみられる。

SHARE:
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします