スーダン準軍事組織RSFが集落襲撃、7人殺害 北コルドファン州
人権団体「スーダン医師中央委員会」は声明で、「この襲撃により、2人の子供を含む7人が死亡、13人が負傷した」と明らかにした。
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アフリカ北東部・スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が同国中南部に位置する北コルドファン州の集落を襲撃し、少なくとも7人を殺害した。地元の医療団体が20日、明らかにした。
それによると、RSFはこの集落に押し入り、食料や家畜を略奪。家屋に火を放ったという。
人権団体「スーダン医師中央委員会」は声明で、「この襲撃により、2人の子供を含む7人が死亡、13人が負傷した」と明らかにした。
また同委員会は「RSFの戦闘員が財産を略奪し、複数の家屋と村の唯一の医療施設を焼き払い、そこに保管されていた医療用品を盗んだ」と非難した。
RSFはコメントを出していない。
軍事政権とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
国連児童機関(ユニセフ)によると、RSFは先月、北コルドファンと南コルドファン両州とその周辺地域で暴れ回り、子供35人と妊婦2人を含む民間人450人以上を殺害したという。
米国、エジプト、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、国連、アフリカ連合(AU)は20日の共同声明で、スーダンにおける人道危機の悪化に深刻な懸念を表明。紛争交事者に対し、ダルフールとコルドファン地域での援助制限を解除し、主要な補給ルートを開いたままにするよう求めた。
この内戦が終結する目途は全く立っておらず、激戦が続くダルフール地方では避難民キャンプが標的になるなど、民間人の犠牲が増え続けている。
RSFはこの1年間、ダルフールの中で唯一支配下にない北ダルフール州エルファーシルへの攻撃を続けてきた。
エルファーシルはハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍事政権の最後の主要拠点となっている。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲している。
RSFは先月末、ダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官率いる新政府「スーダン建国同盟指導評議会(TASIS)」を立ち上げた。