ISIS系組織が市民52人虐殺、国連が発表 コンゴ東部
ADFはウガンダで発足した反政府勢力。1990年代半ばから東部・北キブ州などに拠点を置き、民間人数千人を虐殺したと告発されている。
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アフリカ中央部・コンゴ民主共和国東部でイスラム過激派とみられる武装勢力が複数の集落を襲撃し、少なくとも52人の民間人を殺害した。国連と地元当局が18日、明らかにした。
それによると、イスラム国(ISIS)系組織「民主同盟軍(ADF)」の戦闘は東部・北キブ州の2地域にある複数の集落を襲撃。数日間で住民少なくとも52人をマチェーテで切り殺したという。
コンゴ軍の報道官はロイター通信の取材に対し、「ADFは我が軍に敗れた腹いせに民間人を虐殺した」と語った。
国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)によると、ADFは8月9~16日にかけて集落を襲撃したという。
AP通信は地元当局者の話しとして、「テロリストたちは住民を一カ所に集め、ロープで縛り、マチェーテや鍬で虐殺した」と伝えている。
このうち1つの集落では少なくとも30人が殺害されたとみられる。
ADFはコメントを出していない。
ADFはウガンダで発足した反政府勢力。1990年代半ばから東部・北キブ州などに拠点を置き、民間人数千人を虐殺したと告発されている。
コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動。そのほとんどが土地や貴重な鉱物などを守るために戦っている。
ウガンダ軍はコンゴ政府との協定に基づき、2021年からコンゴ東部に部隊を展開している。
両軍はADFと戦争状態にあり、北キブ州や北東部イトゥリ州などで対テロ作戦を行っている。
イトゥリ州では先月、ADFとみられる武装兵が教会を襲撃し、43人を殺害する事件が発生。被害者の大半がナタで切り殺されていた。
北キブ州は1月末以来、同国最大の反政府勢力M23(3月23日運動)の統治下におかれている。
米国務省はADFのリーダー、ムサ・バルク(Musa Baluku)の逮捕につながる情報に500万ドルの報奨金をかけている。