◎ロシアは現在、ウクライナ侵攻を表立って非難していないアフリカおよびアジアとの連携強化を目指している。
ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は20日、ウクライナ侵攻をめぐる西側諸国の制裁に立ち向かうために、アフリカ諸国との関係を優先していると述べた。
プーチン氏は首都モスクワでアフリカ諸国の首脳らを前に演説。「わが国はこれまでも、そしてこれからも、アフリカとの協力関係を優先していく」と強調した。
またプーチン氏は、「ロシアはアフリカの友人たちと完全な戦略的パートナーシップを構築し続けると決意している」と述べた。
プーチン氏はロシアもアフリカと同様、欧州の植民地イデオロギーに抵抗することで「伝統的な道徳的価値を守る」ことができると考えている。
プーチン氏はウクライナ南部黒海の穀物輸出協定が2カ月延長されれば、アフリカ諸国の食料安全保障を支援できると述べた。
ウクライナは19日、この協定について120日間延長されると発表。ロシアは60日間と主張している。
プーチン氏はエネルギーや医学の分野でアフリカ諸国との協力関係を強化し、ロシアの大学におけるアフリカ人留学生の枠を倍増させる計画を発表した。
ロシアは現在、ウクライナ侵攻を表立って非難していないアフリカおよびアジアとの連携強化を目指している。
ロシアは近年、アフリカ大陸でかつての植民地支配に代わる存在として、多くの協力関係を樹立してきた。
ロシアの民間軍事会社は中央アフリカ共和国をはじめとする数カ国に拠点を置き、フランスの影響力を低下させている。
次回のロシア・アフリカサミットは7月26~29日の日程でサンクトペテルブルクで開催される予定だ。
プーチン氏はこの会議に向けて「真剣に」準備すると確約し、首脳や地域組織に参加を呼びかけた。
今回の会議には43人の首脳を含むアフリカ54カ国の代表が出席した。19日に採択された共同声明は米国を念頭に置き、「政治的独断と脅迫」を糾弾している。