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南アフリカで米国のベネズエラ介入を非難するデモ

今回の抗議行動は、米軍がベネズエラで行った軍事作戦により、マドゥロとその妻が拘束されニューヨークに移送されたことを受けて行われたものである。
2026年1月8日/南アフリカ、プレトリアの在米国大使館前、ベネズエラのマドゥロ大統領の釈放を求めるデモ(AP通信)

南アフリカ・プレトリアで8日、数十人の抗議者が在米国大使館前に集まり、米国によるベネズエラへの軍事介入を強く非難するとともに、拘束されたマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の即時解放を求めるデモを行った。デモは南アフリカ共産党(SACP)が主導し、与党・アフリカ民族会議(ANC)の支持を受けて実施された。

参加者らは「ベネズエラから手を引け」「マドゥロ大統領を今すぐ解放せよ」「アメリカ帝国主義を終わらせろ」などと書かれたプラカードを掲げ、トランプ(Donald Trump)大統領の政策を非難した。SACP書記長は、米国がベネズエラの豊富な石油資源支配を狙って介入したと主張した。

抗議には親パレスチナ派の活動家も加わり、国際連帯の意志を示す場面もあった。ある参加者は、今回の介入がベネズエラだけにとどまらず、米国が他の小国に対しても同様の行動を取る可能性を示唆するものだと述べた。

今回の抗議行動は、米軍がベネズエラで行った軍事作戦により、マドゥロとその妻が拘束されニューヨークに移送されたことを受けて行われたものである。この作戦は麻薬密輸や国際的な犯罪行為への対処を名目として実施されたと米側は説明しているが、多くの国や市民団体が国際法違反、主権侵害と批判を強めている。

南ア政府もこれに対して公式に不満を表明しており、マドゥロの拘束を非難するとともに国連の介入を求める姿勢を示している。ラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は、米国の行為がベネズエラの領土的統合と主権を損なったとし、国際法と国連憲章の尊重を重視する立場を強調した。

SACPは抗議に際し、米国が他国の内政に介入する行為を「帝国主義的な横行」と位置づけ、南ア国内でも米国に対する強い反発が広がっているとの認識を示した。また、同党は国際社会に対しても連携を呼びかけ、ベネズエラの完全な主権回復とマドゥロ夫妻の無条件解放を求める立場を表明した。

一方、今回の米国の介入を巡っては、国際社会の反応は分かれており、ラテンアメリカ諸国を中心に米国の行動を危険視する声が多数上がっている。ブラジルやコロンビアなどでも反米デモが発生し、地域全体で抗議の動きが広がっている。こうした動きは、米国と南アの関係にも影響を及ぼす可能性があり、外交面での摩擦が深刻化する懸念も指摘されている。

今回のデモは、米国の国際的な軍事行動や外交政策に対する市民社会の批判が高まっている現状を改めて浮き彫りにしている。南ア国内では、政治団体や労働組合、市民グループが一体となって抗議行動を展開し、今後も国際的な連帯と主権尊重の必要性を訴え続ける構えだ。

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