スーダン準軍事組織RSFが首都ハルツームを攻撃、停電発生
RSFのドローンは市内の発電所、製油所、飛行場を攻撃。兵器工場も標的になったという。
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アフリカ北東部・スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が9日未明、首都ハルツームにドローン攻撃を仕掛け、広い範囲が停電した。
現地メディアによると、RSFのドローンは市内の発電所、製油所、飛行場を攻撃。兵器工場も標的になったという。
軍事政権はコメントを出していない。
AP通信はRSF当局者の話しとして、「ハルツーム奪還作戦を継続している」と報じた。
軍政とRSFは23年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
RSFのダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官は先月末、軍政に対抗するもうひとつの政府「スーダン建国同盟指導評議会(TASIS)」の最高指導者に就任した。
軍は今年5月、ハルツーム奪還を発表。住民が徐々に帰還している。しかし多くの家屋が破壊され、都市の大部分が荒廃。電力不足に加え、食料・水・公共サービスも乏しい状況だ。
軍政は先月、ハルツームで大規模な復興計画を開始。国連は基本サービスの復旧だけで3億ドル以上かかると見積もっている。
また軍政は重要施設を保護し、さらなる攻撃を阻止するため、対空兵器の配備を予定している。
RSFはこの1年間、ダルフールの中で唯一支配下にない北ダルフール州エルファーシルへの攻撃を続けてきた。
エルファーシルはハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍事政権の最後の主要拠点となっている。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲している。