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ケニア西部の集団墓地から33人の遺体、2人逮捕、政府が関与か?


国家警察の犯罪捜査局(DCI)の鑑識班はケリチョ郡郊外にある墓地で大人8人と子ども25人の遺体に加え、麻袋に詰められた切断された遺体の一部を発見したという。
2026年3月26日/ケニア、西部ケリチョ郡、集団墓地を捜索する当局者(AP通信)

ケニア西部ケリチョ郡で26日、警察当局が教会所有の墓地を捜索し、少なくとも33人の遺体を掘り起こした。現地メディアによると、国家警察の犯罪捜査局(DCI)の鑑識班はケリチョ郡郊外にある墓地で大人8人と子ども25人の遺体に加え、麻袋に詰められた切断された遺体の一部を発見したという。遺体は市内にある病院の遺体安置所から移送後、埋葬されたとみられ、埋葬の適法性をめぐって捜査が進められている。

当局によると、遺体の身元は明らかになっておらず、死因を特定するため政府の病理学者が死因解剖を行っている。ケニアの法律では、14日以上引き取り手のない遺体を処理する場合、裁判所の許可が必要とされているが、今回の遺体移送と埋葬が適法に行われたかどうかは不明だ。警察は教会関係者とされる少なくとも2人を逮捕しており、引き続き関係者の特定を進めている。地元テレビ局は匿名の情報提供者の話しとして、「遺体を公用車で運び出して埋葬した」と報じ、住民からは「政府が関与しているのか、企業や病院が関与しているのかを明らかにすべきだ」との声が上がっている。

今回の集団墓地発覚は、過去3年以内にケニアで起きた3件目の大規模埋葬事件である。2023年には南東部キリフィで数百人の遺体がグッドニュース・インターナショナル教会の敷地内で発見され、宗教指導者が信者を死に至らせた事件として国際的な批判が巻き起こった。

また、2024年には首都ナイロビの廃棄地で9人の遺体が見つかる事件も発生している。これらの事件はいずれも社会の不安や権利侵害への懸念を強める要因となってきた。

市民の中には当局の対応に疑問を呈する声も出ている。AP通信の取材に応じたケリチョの住民は、「警察と当局は徹底的な調査を行う必要がある」と述べ、別の住民も「政府が関与しているのか、それとも別の集団が裏にいるのかを明らかにするべきだ」と訴えた。これに対し、当局は透明性の高い捜査を約束するとともに、未解決の疑問点に対しても真剣に取り組む姿勢を示している。

この遺体発見を受け、国内では人権や警察の責任に関する懸念が再び浮上している。人権団体によると、過去1年間で125件の超法規的殺害と6件の強制失踪が記録され、前年の104件から増加傾向にあるとしている。このような状況は、治安部隊の権限行使と市民の安全保障についてさらなる議論を呼び起こしている。

今回の事件はケニア社会が抱える複雑な問題を浮き彫りにしている。適正な埋葬手続きと法令順守の重要性が問われる中、当局は市民の信頼を取り戻すためにも徹底した捜査と説明責任を果たす必要があると専門家は指摘している。

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