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カメルーン大統領選、現職のビヤ氏(92歳)勝利、抗議デモで4人死亡

ビヤ氏に抗議する野党デモは数日前に激化し、治安部隊との衝突で少なくとも4人が死亡した。
カメルーンのビヤ大統領(Getty Images)

アフリカ西部・カメルーンの憲法裁判所は27日、2週間前に行われた大統領選挙の最終結果を公表し、ビヤ(Paul Biya、92歳)大統領の勝利を認定した。

ビヤ氏に抗議する野党デモは数日前に激化し、治安部隊との衝突で少なくとも4人が死亡した。

投票は10月12日に行われ、ビヤ氏の再選が焦点になっていた。

ビヤ氏は世界最年長の大統領であり、1982年に前任者が辞任した際に権力を掌握。40年以上にわたり政権を維持してきた。

憲法裁によると、ビヤ氏の得票率は53.66%、チロマ(Issa Tchiroma Bakary)候補は35.19%、投票率は57.7%であった。

チロマ氏はSNSに声明を投稿。憲法裁の発表を拒絶し、治安部隊がデモに参加した若者2人を至近距離から射殺したと述べた。

チロマ氏はこう強調した。「同胞を至近距離から撃つとは――お前たちは傭兵なのかと疑わざるを得ない。殺したいなら殺せ。だが私はあらゆる手段を駆使してこの国を解放する...」

政府と治安部隊はこの主張に関するコメントを出していない。

地元メディアによると、デモ参加者の多くが若者だったという。

カメルーンでは地域によって治安状況が大きく異なり、特に北西州・南西州および極北地域で深刻な不安定が続いている。

北西・南西州では、英語を話す少数派住民が仏語中心の政府に対する不満から分離独立を求め、2016年以降、武装化した。これに対し政府軍が強硬に鎮圧を行ったことで内戦状態となり、双方の衝突や報復による民間人被害が拡大している。学校閉鎖や医療崩壊、数十万人規模の国内避難民の発生など、人道危機が続いている。

一方、極北地域ではナイジェリアを拠点とする過激派組織ボコ・ハラムやISIS系武装勢力が活動し、村落襲撃や誘拐事件が頻発している。

首都ヤウンデや商業都市ドゥアラなどの都市部は比較的安定しているが、窃盗や強盗などの犯罪も少なくない。

全体として、カメルーンは複数の紛争と治安問題が重なり合う不安定な国家であり、特に英語圏地域と北部では極めて危険な状況が続いている。

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