▽RSFはオムドゥルマン中心部の青空市場を急襲。迫撃砲や手りゅう弾などを使って市民を虐殺した。
アフリカ北東部・スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が首都ハルツーム近郊のオムドゥルマンの市場を襲撃し、54人が死亡、多数の負傷者が出た。軍政当局が1日、明らかにした。
それによると、RSFはオムドゥルマン中心部の青空市場を急襲。迫撃砲や手りゅう弾などを使って市民を虐殺したという。
保健当局は声明で、「女性や子供を含む少なくとも54人が死亡、158人が重軽傷を負った」と述べた。
RSFはコメントを出していない。
軍政の報道官はSNSへの投稿でこの攻撃を非難。「一般市民が標的になった」と書いた。
また報道官は「青空市場と周辺の建物や施設などが破壊された」と述べた。
ハルツームに拠点を置くスーダン医師中央委員会もRSFを非難。それによると、1発の砲弾が市場の近くにある病院のすぐ近くに着弾したという。
この病院に運ばれた遺体の大半が女性と子供であったと伝えられている。同院の責任者はAP通信の取材に対し、「医療チーム、外科医と看護師が圧倒的に不足している」と語った。
軍政とRSFは23年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち300万~350万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
RSFはハルツームを含む国土の半分を支配している。