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スーダン準軍事組織RSFがモスク空爆、70人死亡 北ダルフール州

事件は市中心部にあるモスクで発生。金曜礼拝に来ていたイスラム教徒が巻き込まれた。
スーダン、西ダルフール州の集落、国連PKO兵と住民(Getty Images)

アフリカ北東部・スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が北ダルフール州エルファーシル市内にあるモスクを空爆し、少なくとも70人の礼拝者が死亡した。地元当局が19日、明らかにした。

それによると、事件は市中心部にあるモスクで発生。金曜礼拝に来ていたイスラム教徒が巻き込まれた。

AP通信はエルファーシルで人道支援活動に当たっている団体の話しとして、「軍はRSFのドローンが爆弾を投下したと説明している」と報じた。

RSFはコメントを出していない。

地元テレビ局が報じた映像には瓦礫の山になったモスクとみられる建物から遺体を引っ張り出すボランティアの姿が映っていた。

軍政はRSFを非難し、犠牲者に哀悼の意を表した。

また軍政は「民間人を殺害することがRSFのモットーであり、全世界の目の前でそれを続けている」と主張した。

詳細は明らかになっておらず、エルファーシルはRSF部隊に包囲されているため、近づくことは困難である。

軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。

正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。

RSFのダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官は先月末、軍政に対抗するもうひとつの政府「スーダン建国同盟指導評議会(TASIS)」の最高指導者に就任した。

RSFはこの1年間、ダルフールの中で唯一支配下にないエルファーシルへの攻撃を続けてきた。

エルファーシルはハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍事政権の最後の主要拠点となっている。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲している。

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