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西サハラ沖でパナマ船籍の貨物船沈没、乗組員全員救助

貨物船は建設資材の原料として使われるクリンカーを積載し、モロッコ南部の西サハラ沿岸近くの海域を航行していた。
アフリカ北西部・西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)沖(Getty Images)

モロッコ政府は3月1日、パナマ船籍の貨物船「デュラ・バルク(Dura Bulk)」が西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)沖で沈没したと発表した。この貨物船は2月28日、西サハラ北部の港へ向かっていた際に浸水を報告し、その後沈没したという。運輸省は声明で、同船に乗船していた乗組員全員が救助され、原因究明に向けた調査が行われていると明らかにした。

貨物船は建設資材の原料として使われるクリンカーを積載し、モロッコ南部の西サハラ沿岸近くの海域を航行していた。浸水発生時の具体的な状況や原因は明らかになっていないが、当局は事故の経緯を調査するため関係機関と連携していると説明している。

乗組員はすべて外国人で、救助後、医療措置が施され安全な場所へ移された。ケガ人の情報はない。

西サハラは大西洋に面し、アフリカ北西部の海上交通路の一部として多くの貨物船が通過する。海域の環境条件は海象状況の影響を受けやすく、強風や荒天が航行のリスクを高めることがある。また、船舶の老朽化や整備不良が事故の原因となるケースもあるが、今回の事故がどのような要因で発生したかは引き続き調査が進められる見込みだ。

モロッコ政府は声明で、沈没事故を受けて沿岸警備隊や海洋救助機関が迅速に対応したことを強調し、今後も海上安全の確保に努めるとした。さらに、商業航行に関わる国際的な基準や安全対策の強化が必要であるとの認識を示している。

国際海事機関(IMO)の統計によると、貨物船の沈没事故は世界的に減少傾向にあるものの、老朽船の増加や気候変動に伴う海象条件の変化が依然として海難事故のリスク要因となっている。特に沿岸地域や交通量の多い海域では、小型・中型貨物船の事故が目立つとして注意が促されている。今回の事故を受け、モロッコ政府内でも海上安全強化に向けた議論が高まる可能性がある。

モロッコは西サハラ地域をめぐる領有権問題を抱えており、海上交通の安全・秩序維持は同国にとって戦略的にも重要な課題となっている。今後の調査結果によっては、国際的な海上保安協力の枠組みや、航行船舶に対する規制強化の議論が進む可能性もある。事故原因の解明や被害状況の詳細報告が待たれている。

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