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▽過去21カ月の間に100万人以上のスーダン難民が南スーダン北部の国境を越え、国連などの難民キャンプに身を寄せている。
南スーダンとスーダンの国境付近、国連管理下の難民キャンプ(ロイター通信)

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は21日、アフリカ東部・南スーダンに100万人以上のスーダン難民が流入し、人道危機に拍車をかけていると明らかにした。

それによると、過去21カ月の間に100万人以上のスーダン難民が南スーダン北部の国境を越え、国連などの難民キャンプに身を寄せているという。

スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち300万~350万人が周辺国に逃れたと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。

RSFはハルツームを含む国土の半分を支配している。

内戦が始まる前から多くのスーダン難民が南スーダンに逃れていたため、その数は100万人を優に超え、今も増え続けているとされる。

UNHCRと国際移住機関(IOM)は共同声明で、「この紛争が始まって以来、100万人以上のスーダン難民が南スーダンに流入し、人道危機に拍車をかけている」と述べた。

南スーダンは2011年にスーダンから独立。2年後の2013年、キール(Salva Kiir)大統領に忠実な組織がマシャール(Riek Machar)副大統領の支持勢力に攻撃を仕掛け、内戦が勃発。18年の和平合意で終結した。その犠牲者は40万人以上と推定されている。

南スーダンは内戦、暴力、貧困、自然災害の影響で荒廃し、医療施設はほとんど機能せず、難民の流入に対処できていない。

UNHCRは声明の中で、「南スーダンの人々は並外れた寛大さを示し続け、困っているスーダン難民を歓迎し、わずかな資源を分かち合っていますが、彼らだけでこの大きな責任を担うことはできない」と述べ、国際社会にさらなる支援を求めた。

南スーダン北部の国境付近にある難民キャンプは5000人弱を収容できるよう設計されているが、現在1万6000人以上を受け入れている。

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