ナイジェリア学校襲撃、武装集団が生徒300人誘拐、教師も
この事件は21日の午前2時頃に発生。聖マリア学校(中等学校)の寮に武装兵が押し入り、生徒たちを脅してどこかに連れ去った。
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アフリカ西部・ナイジェリア中部ナイジャ州で正体不明の武装集団がカトリック寄宿学校を襲撃した事件について、地元当局は22日、拉致された生徒と教職員が300人を超えたと明らかにした。
この事件は21日の午前2時頃に発生。聖マリア学校(中等学校)の寮に武装兵が押し入り、生徒たちを脅してどこかに連れ去った。
犯行声明を出した組織は確認されていない。
同校によると、生徒303人と教師12人が拉致されたことを確認したという。
捜査当局は前日、生徒215人と教職員12人が拉致されたと報告していた。
ナイジャ州のカトリック教会は声明で、「関係者への聞き取りなどを行った結果、さらに88人の生徒が捕らえられたことを確認した」と述べた。
生徒は男女混合、年齢は10歳から18歳までだった。
ナイジャ州政府は21日の声明で、陸軍と警察の合同部隊が武装集団を追跡していると明らかにした。
ナイジェリアでこのような誘拐事件は珍しくない。
北西部ケッビ州では今週初めに武装集団が学校に押し入り、女子生徒25人を拉致、教職員1人を殺害した。このうち女子生徒1人が逃げ出し、当局に保護された。
ナイジェリア北中部では西アフリカ最大のイスラム過激派ボコ・ハラムやその関連組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」など、数十の過激派や武装勢力が活動している。
ボコ・ハラムは西アフリカで最も強力な過激派のひとつであり、その影響力は拡大し続け、隣国のニジェール、チャド、カメルーンでも猛威を振るっている。
中央政府とボコ・ハラムは戦争状態にあり、10数年にわたる戦いで3万5000人以上が死亡、260万人以上が住居を失ったと推定されている。
ボコ・ハラムは2009年に西欧の教育に反対し、過激なイスラム法を導入するための武装闘争を開始した。
ボコ・ハラムは2014年、ボルノ州チボクの学校を襲撃し、12歳~17歳の少女276人を誘拐した。その多くが今も行方不明のままである。この事件以降に誘拐された学生は確認できているだけで1500人近くに達している。
陸軍は昨年3月、正体不明の武装集団に拉致された学生130人以上を救出した。
教育委員会は21日、北部地域にある国立大学47校を閉鎖すると発表。理由については「イスラム過激派や盗賊団の標的になる可能性があるため」と説明している。
