◎ナイジェリアではタンクローリーが絡む事故が多発している。
アフリカ西部・ナイジェリア北部ジガワ州で石油タンクローリーが爆発・炎上した事故について、警察は18日、これまでに170人が死亡し、約70人が病院で治療を受けていると明らかにした。
現場は同州北西部の幹線道路。タンクローリーは15日の23時30分頃に事故を起こし横転、これを目撃した人々がタンクローリーの周りに集まり、漏れたガソリンを集め始めたところ、爆発炎上した。
16日の集団埋葬に参列した男性はカタールの衛星テレビ局アルジャジーラの取材に対し、「これほどひどい事故を見たことがなく、現場は地獄のような有様だった」と語った。
SNSで共有された動画には横転したタンクローリーから炎と黒煙が上がり、火だるまになりながら逃げ惑う人々の姿が映っていた。
消防によると、約100人が現場で死亡、その他は病院で息を引き取ったという。
タンクローリーは北東部のヨベ州に向かう途中、対向車を避けるためにハンドルを切り、横転。運転手にケガはなかった。
タンクローリーからガソリンが溢れ出し、通行人や地元住民が地面や近くの排水溝に流れ込んだガソリンを回収しようとした。
目撃者によると、運転手は集まってきた人々に離れるよう何度も警告したものの、ほとんどの人が聞き入れなかったという。そして午前0時頃、大きな爆発が起こり、火災が発生、周辺は火の海となった。
州警察の広報担当は地元テレビ局の取材に対し、「18日時点で約70人がまだ病院で集中治療を受けている」と語った。
亡くなった170人のうち120人が現場近くの墓地に、50人が別の場所に埋葬された。
ナイジェリアではタンクローリーが絡む事故が多発している。
ナイジェリアは世界で最も交通事故の多い国のひとつであり、毎年推定5万~6万人が死亡している。その原因の大半が無謀運転とルール無視だ。
同国には貨物を輸送する鉄道システムがないため、その多くをトラックで輸送している。
警察によると、タンクローリーが絡む事故は2020年だけでも1531件発生し、535人が死亡、1142人が負傷したという。
中部ナイジャ州で先月発生したタンクローリーの爆発事故では少なくとも48人が死亡した。