◎国軍はボコ・ハラムやその他のイスラム国(ISIS)系組織を攻撃する際、空爆を多用している。
ナイジェリア軍のドローンが北部カドゥナ州のイスラム教関連施設を空爆したことについて、政府当局は民間人少なくとも85人が死亡したと明らかにした。
軍は3日夜にカドゥナ州郊外の施設をドローンで空爆。そこでは預言者ムハンマドの生誕を祝う行事が行われていた。
軍は4日の声明で、「ドローンでテロリストと盗賊の拠点を空爆した」と述べていた。
ティヌブ(Bola Tinubu)大統領は5日、民間人が犠牲になったことに深刻な懸念を表明し、関係閣僚に徹底調査を命じたと明らかにした。しかし、このような調査の結果が公表されることはほとんどない。
ナイジェリアの北中部では同国最大のイスラム過激派組織ボコ・ハラムを含む多くの反政府勢力が活動している。
国軍とボコ・ハラムは2009年から戦争状態にあり、戦闘に巻き込まれるなどして死亡した民間人は3万5000~4万人と推定されているが、被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
中央政府の報道官は5日、この空爆で子供、女性、高齢者を含む少なくとも85人が死亡し、66人が手当てを受けていると明らかにした。
それによると、85人の遺体は現場近くに埋葬されたという。
葬儀に参列した陸軍の参謀総長は記者団の取材に対し、「軍は偵察任務で得た情報に基づき、施設を空爆した」と語った。
また参謀総長は「民間人が犠牲になったことを遺憾に思うが、そこはテロリストと盗賊の拠点だったという偵察任務の結果に間違いはない」と強調した。
国軍はボコ・ハラムやその他のイスラム国(ISIS)系組織を攻撃する際、空爆を多用している。今年1月には中部ナサラワ州で数十人が死亡。昨年12月には北西部ザムファラ州でも数十人が死亡するなど、多くの民間人が空爆に巻き込まれている。